
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。
対応品質の向上、対応効率の改善などを通してセンターの生産性向上に日々取り組んでいます。
こういった僕が、詳しく解説していきます。
コールセンターのアクティブリスニングとは
健全な人間関係を作るには、効果的なコミュニケーションが大切だと言われています。この原則は、コールセンターのカスタマーとオペレーターとの関係にも当てはまります。
その「効果的なコミュニケーション」の基礎として、コールセンターの世界では「アクティブリスニング」というものがあります。具体的には次のようなことを意味します。
- カスタマーの言葉に完全に集中する
- それらの言葉が何を意味するのかを理解する
- カスタマーの言うことをひとつひとつ確認しながら対応する
コールセンターでアクティブリスニングが大切な理由
電話の向こう側には、問題解決の方法を探している人が実際にいます。その相手に「自分は本当によく話を聴いてもらえた、理解してもらえた、奉仕してもらえた」と感じさせるためにアクティブリスニングが重要になります。
あなたがカスタマーに共感を示し、耳を傾けるほど、カスタマーはあなたとの関係性や、提供する製品やサービスについて高く評価してくれます。人間は本質的に自分の話をよく聴いてほしいのです。
また、半数以上のカスタマーは、企業のカスタマーサービスは共感を示すのが当たり前と考えています。
こういった理由で、「アクティブリスニング」はコールセンター従事者が身につけるべき重要なコミュニケーションスキルであると言えるのです。
人は自分の話をよく聴いて理解してもらいたい
性別に関係なく、自分の考えや感情を声に出すことは人間の本質的な欲求です。アクティブリスニングはなかなか難しいかもしれませんが、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供することはとても大切です。
実際、ある調査によると、ビジネス上の問題の60%はコミュニケーションミスが原因であるそうです。
また、コールセンターの問い合わせの主要な方法がまだ電話ということもあり、アクティブリスニングのスキルを身につけることがどの企業でも重要視されています。
カスタマーが求めているサービスはカスタマー自身が教えてくれる
直接カスタマーに質問したり、ソーシャルメディアやアンケートなどを通じて、製品やサービスがカスタマーにどのように評価されているかがわかります。意外と企業が予想していたものに対して大きなギャップがあるかもしれません。
企業の成長にはカスタマーのニーズを汲み取って自社サービスに反映していくことが必要であり、それがカスタマーの評価を高め、熱狂的なファンを獲得していくことにつながります。
このように、アクティブリスニングは企業の成長に欠かせない重要なアプローチとも言えます。
カスタマーの言葉をスルーしない
あなたが本当に相手の話を聞いていることを示す最良の方法の1つは、カスタマーの言葉をひとつひとつ確認していくことです。それにより会話が活発になります。
自分が何かを話している時に、聞き手である相手がずっと黙っていたら「この人は話をきちんと聞いていないのでは」と感じます。逆に、声が大きくなって、沢山の質問をし、何かしら話した内容を拾って会話をつなげてくれたら、「この人はよく話を聞いてくれている」と感じますよね。
コールセンター業務ではなるべく一件一件の対応を短くして、次の電話を取らなければと思うかもしれません。しかし、優秀なオペレーターは、質の良い対応をするためにはある程度の時間をかけなければならないことを知っています。
カスタマーを急かすのは得策ではありません。カスタマーの言葉をよく聴き、大事なポイントをスルーせずにひとつひとつ確認していくことで、カスタマーは「しっかり対応してもらえている」と感じ、安心して自分の質問をすることができます。
アクティブリスニングは理解と共感を育む
カスタマーは、製品やサービスに何かしらの問題が発生した時に、コールセンターへ問い合わせをします。顧客対応する時は、落ち着いて、忍耐強く対応していく必要があります。
カスタマーが動揺していたり、イライラしていたり、敵意を示している状況では、特にアクティブリスニングが重要です。カスタマーの言うことをひとつひとつ確認し、状況を説明し、欲求不満に共感を示すことで、カスタマーは「理解してもらえた、寄り添ってもらえた」と感じます。
オペレーターのなかには機械的な対応をする人がときどきいます。ただ、コールセンターで有人対応する目的は、人間味をもったカスタマーサービスを提供することです。
誠実な対応はロイヤルカスタマーを育みます。不誠実な対応はカスタマーが離れる要因となります。
「あなたには2つの耳と1つの口があります。あなたが話すことの2倍聞いてください。」という話もあるように、アクティブリスニングは効果的なコミュニケーションの鍵となります。
まとめ:コールセンターでアクティブリスニングする9つのコツ
以上、アクティブリスニングのスキルがコールセンター従事者にとって大切である理由を解説しました。
マスターするには時間がかかるかもしれませんが、これができれば仕事がより上手くいくようになるばかりか、プライベートでも恩恵を受けます。
以下のコツも参考にしながら、ぜひアクティブリスニングを自分のモノにしてください。
- カスタマーの言葉に集中する(次に何を返すかではなく)
- 非言語コミュニケーションに注目する(声のトーンや大きさ、スピード、感情)
- カスタマーの話に途中で割り込まない
- カスタマーに十分な注意を払う(マルチタスクをしない)
- 素早く簡潔にメモを取る(カスタマーの言うことから迷子にならない程度に)
- 適度にカスタマーの言葉を復唱する(正しく理解できているかを確認する)
- 適度に会話の要約を入れる(話をきちんと聞いていることを示す)
- カスタマーのクレームは真正面から受け取らない(多くは不満を聴いてほしいだけ)
- 問題解決に向けて何かしらの努力を示す(結果的に解決できなくても問題ない)
コールセンター求人を探してみたい方は、以下も参考にしてくださいね。
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コールセンターの仕事について、- 上手く対応するためのコツが知りたい
- 対応品質を改善したい
- クレーム対応に生かせるスキルを身につけたい