
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。
2020年から急速に広がったコロナ感染の影響を受けて、最近は、これまでオフィス一択だったコールセンター業務を段階的に在宅へ移行させることに注力しています。
こういった僕が、詳しく解説していきます。
コールセンター業務を在宅環境で行うために必要な環境5点
在宅でコールセンター業務を行ううえで、いくつかの環境を整えていく必要があります。主な項目5点をひとつひとつ解説していきます。
①デバイスを確保する
まず必要になるのはパソコンです。パソコンについては、業務によって、自分自身が所有しているパソコンでOKの場合と、会社からパソコンを貸与する場合があります。
自己所有のパソコンの場合、OSなど必要な条件が業務によって異なります。
また、まだ多くはありませんが、パソコンではなくタブレットやスマートフォンで行える業務もあります。
どのようなデバイスが必要なのか、またはデバイスは会社からの貸与品のため自分で用意する必要がないのか、事前に契約先のコールセンターに確認しておきましょう。
②業務スペースを確保する
コールセンター業務は沢山の個人情報を扱う仕事です。そのため、在宅とはいえ、一人になれる部屋や空間が必要となります。
部屋の外に家族がいるのは問題ありませんが、家族の声やペットの鳴き声、生活音などが電話に入らないようにだけは注意してください。
デスクはパソコンやマウス、キーボードなどの他にも、いくつかの資料を置ける程度のスペース的な余裕があれば問題ありません。
③インターネット回線を用意する
最近はコールセンターのシステム自体がクラウドサービスに移行してきている通り、基本的に業務システムはすべてネット経由で使用します。
対応業務以外にも、何かしらオフィス側とチャットでやり取りすることもあるので、ネットの接続が悪くて回線が途中で切れてしまうと仕事がうまくできません。
そのため、自宅には光回線を引いてあることが推奨されます。有線、無線などの接続要件も、契約先のコールセンターに確認しておきましょう。
④ヘッドセットを用意する
コールセンター業務は基本的にヘッドセットを使用して行います。ヘッドセットについても自前のもので良い場合と、会社で貸与または支給される場合があります。
ヘッドセットはイヤホンジャック接続とUSB接続のタイプに分かれますが、圧倒的にUSB接続の方が安定しているので、購入する場合はUSBタイプをおすすめします。
ちなみに、僕はエレコムの2,000円くらいで購入したものをいつも仕事で使用していますが、かなり安定しています。ロジクールやエレコムあたりを選んでおけば間違いないです。
⑤Webカメラを用意する
ビデオ通話ではないのでカスタマー対応するときに使うものではありませんが、Webカメラは基本的に必要となります。
主に使う場面は、事前の業務説明会や業務研修です。また、定期的にオフィスにいる管理者と面談する際にも必要となることがあります。社内同士のコミュニケーション場面では、お互いの顔を見ながら話す方が安心ですよね。
Webカメラについても自前で用意する必要があるか、事前に確認しておくと良いでしょう。
その他
上記が一般的に在宅コールセンター業務で必要になるものですが、その他にも業務によっては必要になるものがあります。
たとえばプリンターや固定電話回線など、他にも必要になる可能性があります。
どういったものが業務をする上で必要になるのか、事前に契約先のコールセンターに確認しておいた方が良いでしょう。
在宅ワークするメリット、デメリット
コールセンター業務を在宅で行うにあたり、必要な環境は比較的簡単に用意できることがわかりました。ただ、在宅ワークにも長所と短所があります。
そこで、在宅コールセンター業務のメリット5点とデメリット3点を解説していきます。
メリット①:通勤がない
在宅ワークの最大のメリットは通勤がないことです。往復1~2時間の通勤時間がなくなるのはとても大きいですよね。
しかも、なくなるのは単に通勤時間だけでなく、通勤のための身支度も簡易的なもので済みます。
節約した時間を家事などに充てることで、仕事と家庭が両立できる可能性が高まります。
メリット②:仕事の合間に家のことができる
育児や介護をしている人にとって、自分が家にいてケアができることは重要です。
在宅ワークなら、通勤をなくしたことで得られる時間や仕事の合間などに食事をつくるなど、子どもやお年寄りのケアを行うことが可能になります。
自分自身ももちろん、その家族にとっても安心です。
メリット③:現職を辞めなくて良い
もしも現在働いているコールセンターが在宅勤務を導入しようとしているならチャンスです。
家事育児、介護、コロナ不安など、会社に通勤したくない理由は近年ますます増えています。
慣れた仕事を辞めずに済むし、在宅勤務を増やすことでオフィス側もソーシャルディスタンスを保ちやすくなるので、お互いにとってWin-Winです。
メリット④:服装に気を遣わなくて良い
在宅ワークであれば、誰に服装を見られるわけでもありません。ビデオ通話ではないのでお客様とのやり取りは電話の音声だけだし、通勤で見られることもありません。
仕事を行うスイッチを入れる意味では、在宅でもある程度の身だしなみは大切です。
ただ極端な話、パジャマのままでも寝癖が付いていても、誰から指摘されるわけでもないため、より気持ちの余裕が持てますね。
メリット⑤:職場の人間関係に悩まなくて良い
職場の人間関係は良いこともあれば悪いこともあります。良い人間関係のなかで働くことができれば仕事をすることの喜びを感じることができます。
ただ、逆に人間関係の悪いなかで仕事をすると、非常にストレスが溜まり、心身の健康を害することがあります。
在宅ワークなら人間関係に悩むこともないので安心です。
デメリット①:現場の臨場感がない
オフィスで働くコールセンター業務であれば、まわりがガヤガヤしていたり、上手い人のトークが聞こえてくるのを真似したり、「仕事をしている感」があります。
在宅の場合はまわりに誰もいない一人の空間で仕事をすることになるので、現場の臨場感はなくなります。
仲の良いバイト同士で何気ない会話をする機会もないので、モチベーションの維持に工夫が必要になります。
デメリット②:サポート体制が薄くなりがち
お客様対応中にわからないことがあったり、判断に迷うことがあった場合、オフィスであれば手上げをして管理者にすぐに質問することができます。
在宅の場合はそうもいかないので、多くの場合はチャットツールを通じてオフィスから遠隔でサポートしてもらうことになります。
在宅業務を選ぶときには、あまり複雑で難易度の高い業務を選ばないことや、サポート体制が整っている業務を選ぶなど、ストレスのかかりにくい環境を選ぶと良いでしょう。
デメリット③:自己管理が難しくなりがち
オフィス勤務であれば仕事をする時間も場所もすべて管理してもらえますが、在宅の場合は自分自身でスケジュール管理していく必要があります。
仕事も生活も同じ空間で過ごすことになるので、仕事とプライベートのオン・オフが付きにくいという点で自己管理能力が求められます。
仕事とプライベートにメリハリを付けられるよう、普段から意識的に考え、行動するようにしましょう。
在宅コールセンター業務の仕事内容
オフィス勤務と同じように、在宅でもアウトバウンド業務、インバウンド業務があります。
アウトバウンド業務は主にサービスの販売です。電話営業ですね。基本的には「スクリプト」と呼ばれる台本を呼んでいくものなので、インバウンド業務と比べて単純シンプルです。自分の想定内の範囲で会話ができます。
一方、インバウンド業務もあります。サービスに関する問い合わせに対応したり、解約などの手続き業務などがあります。業務内容としてはアウトバウンド業務よりもやや複雑です。
自分の好みや特性に合わせて選択すると良いですね。
在宅コールセンター業務の時給
時給は、実は在宅ワークの方がやや高めなことが多いです。なぜなら、企業としては在宅ワーク者を増やすと、オフィスの家賃を節約しながら多くの人材を雇用し、ビジネスを拡大できるからです。
極端な話、オペレーターが全員在宅勤務だったら、会社はオフィスを借りなくて良くなるか、もしくは狭いオフィスで十分ということになり、家賃が浮きますよね。
その分を在宅オペレーターの時給に還元しやすくなるということで、まさにWin-Winです。
参考までに、簡単な収入例をシミュレーションしてみました。
一日8時間勤務
週5日
月平均4.33週
1,300円×8時間×5日×4.33週
=22万5,160円/月
一日5時間勤務
週4日
月平均4.33週
1,300円×5時間×4日×4.33週
=11万2,580円/月
オフィス勤務するより毎日通勤1〜2時間節約できて、これだけ在宅で稼げるのは素晴らしいですよね。一昔前では考えられないです。
初心者でも在宅ワークはできます
初心者でも問題ありません。オフィスで対面で研修した方がわかりやすいのは否めませんが、それ前提で研修担当も工夫して丁寧に教えてくれます。
在宅ワークの特性上、すべてのサポートが遠隔になるので、コールセンター経験のある人や、ある程度のITリテラシーがあるとより良いでしょう。
ただ、基本的には元気よく会話ができれば誰でもできる仕事なので、まずは在宅の機会があれば積極的にエントリーしてみると良いですね。
主婦・主婦やシングルマザー・シングルファザーが活躍しています
在宅ワークの最大のメリットは一日のうち自宅で過ごせる時間をより長くできることです。そのため、仕事+アルファを自宅でしたい人に人気のある働き方です。
たとえば、仕事と家事育児、介護などを両立したい主婦・主夫の方、シングルマザーやシングルファザーの方が活躍しています。
日中の時間帯の仕事が多いため、土日や夜間のみしか時間の取れない副業目的の人だと厳しいです。
在宅コールセンター求人の探し方
現在コールセンターで働いている人は、今後在宅オペレーションの導入予定があるかまず確認してみてください。もし予定があれば、そこに乗っていくのが一番スムーズです。
在籍中のコールセンターに在宅オペレーションの導入予定がない場合は、求人サイトなどで在宅コールセンター業務を探すことになります。
たとえば大手派遣求人サイトの「リクナビ派遣」などで、「コールセンター 在宅」などで検索するとヒットしてきます。
在宅コールセンター特化型の求人サイトもある
最近はコロナ禍でテレワークの仕事を求める人が増える中、「コールシェア」のような在宅特化型の求人サイトも飛躍的に拡大しています。登録から稼動まですべて在宅でできる仕組みです。
「コールシェア」は「日本一稼げる在宅ワーク」を目標として掲げており、在宅での短時間稼動でまとまった収入を得られる仕組みを提供するだけでなく、希望があればフル稼働で月30万の収入を目指せる仕組みも提供しようとしています。
まとめ
以上、在宅コールセンター業務に必要な環境や、もろもろについて解説してみました。
- 自由な働き方ができる
- 好きな時間に勤務ができる
- 時間的にも時給的にも効率よく稼げる
- 特別なスキルや資格がなくても在宅ワークができる
こういった働き方にメリットを感じる方は、ぜひ本記事を参考に、在宅コールセンター業務の可能性を探ってみてください。
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- 大手派遣求人サイト:
リクナビ派遣
- 在宅特化型コールセンター求人サイト:コールシェア
在宅でコールセンターの仕事をするために……- 必要なもの、環境は?
- 在宅で働くメリットとデメリットは?
- 業務内容や時給は?
- 初心者でもできるか心配…
- 在宅ワークで活躍しているのはどんな人?
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