
- コロナ禍のコールセンター勤務は心配だな
- コールセンターのコロナ対策はどんなものがあるのかな
- きちんと対策しているセンターで働きたいな
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。大手のネットワークを生かして、コールセンターのコロナ対策について沢山の事例を収集しながら、現場の最前線でコロナ対策に奔走しています。
こういった僕が、詳しく解説していきます。
コールセンターのコロナ感染対策を16個まとめました
ここからは、僕が多数のコールセンターのコロナ対策事例を収集してまとめた、コールセンターのコロナ対策方法についてひとつひとつ解説していきます。
マナーに関することや設備に関すること、センター運営に関することなどがあります。
現在すでにコールセンターで働いている方は、自分の所属しているセンターがどれくらいコロナ対策できているのかチェックしてみてください。
命に関わる問題なので、あまりに対策がおざなりなセンターであれば、職場を変えることも考えなければなりません。リスクを他人に委ねず、自分でコントロールしましょう。自分を守れるのは自分だけです。
対策①:マスク着用を義務化する
コロナ禍においてマスクの着用が大切であることは誰もが認めること。そこに疑いの余地はありません。
2020年から流行りだし、2021年になっても収束どころか逆にすごい勢いで拡大しています。
そのため、人が密集するコールセンターの現場においては、毎日全員マスク着用を義務化するべきです。
時々「苦しい」とかでマスクを外す人がいますが、センターとして見過ごさずに注意しているかも大切ですね。
忘れた人向けに、センターでもある程度の在庫を確保していることもポイントです。
対策②:管理者はフェイスガードを着用する
管理者はオペレーターの質疑対応のために、現場をあちこち動きまわります。質問者の顔の近くまで接近することがよくあり、感染リスクのひとつとなっています。
いくら質疑対応のためとはいえ、至近距離に来てじゃべられるとコロナ感染しそうで怖いですよね。
そのため、管理者に関してはマスク着用は当然として、更にその上からフェイスガードの装着を推奨します。
マスク+フェイスガードになると、安心感が違いますね。
対策③:各自、身の回りを消毒する
コロナ感染対策で手洗いや消毒をしっかりやるようになってから、インフルエンザの罹患率が急激に下がりました。それくらい、手洗いや消毒の徹底は感染に対して有効であることがわかりました。
僕たちはコロナ禍においては特に手を清潔に保っていなければなりません。しかし正直なところ、汚い話ですが、男性は結構トイレの後に手を洗わない人が多かったりするので、みんなきちんと消毒しているのか僕は疑いたくなります。
センターとして消毒液を十分に在庫しているか、十分に設置されているか、なくなったらすぐ補充しているかなど、消毒の習慣がセンターとして浸透しているかは非常に大切です。
センターの出入り口で消毒すること、ロッカーや自席デスクなど一日自分で使う設備も都度消毒することは徹底しましょう。
対策④:センター設備を消毒する
意外と見落としがちだけど、一番みんながベトベト触っているのがドアノブやスイッチです。自分の身の回りだけ消毒していると、盲点になりやすいです。
ドアノブにウィルスが付いていると一気に広がる可能性が高いです。
例えば2時間に1回など、管理者が定期的に消毒作業をすることは大切です。
対策⑤:毎日必ず検温する
最近は無症状のコロナ感染者も多くなっていますが、とはいえ微熱でも熱があるとコロナ禍では感染が心配になります。
実際、隣席のオペレーターに「実は今日は微熱があって…」と言われたら、正直「コロナを移されたらどうしよう!」と焦りますよね。
そのため、毎朝出勤時には全員非接触型の体温計で検温するルールが必要です。37.5度以上は強制送還などルールを明確化することが望ましいですね。
対策⑥:パーテーションを設置する
コロナ感染した人間がしゃべると、エアロゾルと呼ばれるウイルスを含むごく小さな粒子が空中を浮遊し、感染の原因になる可能性があります。かなり広範囲を浮遊するので危険です。

センターによっては左右を遮るパーテーションは設置していても、正面を遮るパーテーションがないセンターは結構多いです。
パーテーションの有無だけでなく、設置してあるパーテーションの長さが十分かどうかも大切です。
対策⑦:ソーシャルディスタンスを確保する
コールセンターは基本的に人口密度が高く、ちょっと手を伸ばしたら隣の人に触れるくらいの席間隔になっています。
そのため、通常時のままではなく、隣同士の距離をさらに広げる必要があります。
ソーシャルディスタンスを確保するには、オペレーターの在籍人数と座席数を減らすか、在籍人数はそのままに一部を在宅勤務に移行するかしかありません。
しかし、センター規模を縮小するにしても、在宅オペレーションを導入するにしても、どちらもセンターの判断だけで勝手に決められることではないので、委託元であるお客様企業の理解が必要不可欠となります。
対策⑧:十分に換気をする
コロナ感染対策として換気の重要性が示されています。ただ、冬の季節であったり、そもそもビルの窓が開かない仕様であるため、窓を開けることによる換気が難しい場合があります。
オフィスビルの場合は基本的には「機械換気設備」が備わっていますが、基本的にコールセンターの人口密度が高い分、換気が十分にできないケースが結構あります。
実際、僕のセンターでも機械換気設備があるにも関わらず、ビル管理に確認したところ十分な換気量は確保できていないので、人口密度を減らすように言われました。
機械換気設備以外にも、空気清浄機を設置したり、窓ではなくドアを解放するなど、機械換気設備だけに頼らない複数の対策を組み合わせる必要があります。
対策⑨:適切な湿度を維持する
コロナ感染対策には湿度にも気をつける必要があると示されています。40〜60%が適正値といわれているので、それに合わせて調整する必要があります。
加湿器の設置が必要になりますが、それだけでなく、湿度計も設置して、誰もが見てわかるようにしておくことも大切です。
それによって、対策が適切にできているかが見える化され、安心感が得られます。
対策⑩:休憩室を除菌する
コロナ感染対策は自分のセンターだけができていれば良いわけではありません。たとえば、コールセンターの休憩室は100名以上が入る空間であることが多いです。
他のセンターの従業員も共同で使うことが多いため、休憩室の定期的な除菌は必須となります。
休憩室もパーテーション設置、ソーシャルディスタンス、消毒液の設置はもちろん、業者による清掃・除菌が毎日行われていることが大切です。
対策⑪:貴重品バッグを個人持ち化する
コールセンターは基本的に貴重品バッグとして透明のビニールバッグを割り当てられます。
多くの場合はロッカーとセットで使用されますが、ロッカーが日替わりの場合は貴重品バッグも使いまわしになります。
貴重品バッグは個人持ち化にする方が好ましいです。
対策⑫:ロッカーを個人持ち化する
上記の通り、ロッカーは割当がなく日替わりで使用する場合が多いです。しかし、ロッカーは前日に誰がどのような使い方をしているかわかりません。
日替わりで使う人が入れ替わるロッカーは、いつどこでウィルスが付着しているかわかりません。
ロッカーもできる限り個人持ち化で割当を決めてしまった方が好ましいです。
対策⑬:PC周辺機器を個人持ち化する
センターの席が日替わりの場合、マウスやキーボード、ヘッドセットなどの周辺機器も使いまわしになります。
そのため、前回の使用者がどのような使い方をしているのか、除菌、消毒しているのかも不明です。
特に、ヘッドセットは飛沫が一番付きやすいものなので、これらの周辺機器もできる限り個人持ち化にした方が好ましいです。
対策⑭:イヤーパッド、マイクスポンジを個人持ち化する
ヘッドセットの個人持ち化が難しい場合、せめてイヤーパッドやマイクスポンジを個人持ち化にすると良いでしょう。
毎日出社したら、ヘッドセットにイヤーパッドとマイクスポンジを取り付けて、退社時にはそれらを外して帰ります。
この方法なら、定期的に自宅に持ち帰り、洗濯することも可能です。
対策⑮:座席を固定化する
PC周辺機器の個人持ち化について上述しましたが、座席を固定化してしまうのが一番手っ取り早いです。
コールセンターにはいろんな人がいて、正直、中にはちょっと不潔そうな感じの人も時々いるので、デスクの共用は不安が残ります。
座席の固定化が実現すれば、周辺機器の個人持ち化もすべて解決します。
対策⑯:PCR検査の受検に関する情報開示とフロー整備をする
PCR検査を受ける人は増える一方です。センター内でPCR検査を受ける人がいるというのも何も珍しいことではなくなりました。
だからこそ、PCR検査を受ける予定の人が何人いるか、結果はどうだったかなどの情報を都度開示することは逆にセンターで働くオペレーターにとっては安心につながります。何も情報が無いほうがむしろ不安です。
あわせて、PCR検査を受けた人の出勤や出勤自粛に関するガイドラインが整備されていることも大切です。
もしもに備えて休業補償の有無は確認しておこう
ここまでで、コールセンターにおける各種コロナ感染対策について解説してきました。ただ、感染しないための対策だけでなく、感染した場合のことまで想定しておく必要があります。特に休業補償の有無を確認することは大切です。
なぜなら、実際のところいつコロナに感染するかわからないし、感染したら一定期間の出勤停止になります。どれだけ対策したとしても、感染するときは感染します。その場合の保険がないと、完全に収入が途絶えることになります。
実際、僕のセンターでもそういった人はいました。休業補償があるかどうかは会社やセンターによってスタンスが異なるだけでなく、直接雇用か派遣かでも違いはありますし、派遣でも派遣会社によって対応が異なる場合もあります。
やはり休業補償の有無の違いは大きな問題なので、事前にコロナで出勤停止になった場合の休業補償について確認しておくことをおすすめします。
コロナ対策が十分なセンターか在宅コールセンターで働こう
ここまでで、コロナ感染対策や休業補償について解説してきましたが、結局のところ、コロナ禍の現在において感染リスクを極力減らすことは非常に大切です。
なぜなら、センターによって対策のレベルにバラツキがありますし、対策レベルの高いセンターを選んで働くことは自分の意志でできることです。
実際、各コールセンター会社の対策レベルの程度は派遣会社も情報をかなり持っていて事前に相談できるし、最近は在宅勤務のできるコールセンター求人も増えてきています。
大手派遣求人サイトのリクナビ派遣でも「コールセンター 在宅」で検索すれば結構沢山ヒットしますし、在宅勤務に完全特化したコールシェア
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こういったものをうまく活用して、できる限りコロナ感染のリスクを減らすことは自分次第でできることです。リスクは他人に委ねず、自分でコントロールしましょう。
まとめ:いのちだいじに!
以上、コロナ感染対策についてまとめてみました。改めて振り返ると、コロナ感染対策でチェックすべき項目は沢山ありますね。
今コールセンターで働いている人は自分の所属するセンターがどれくら対策できているのかをチェックしてみてください。これからコールセンターで働きたい人は、エントリー先を選ぶ基準にしてください。
やはり最大の対策は在宅勤務なので、在宅勤務狙いの方は以下のサービスなどを利用して探してみてください。
リクナビ派遣の場合は、「コールセンター 在宅」で検索すると、一部在宅ワーク(週○日まで在宅勤務OK、業務に慣れたら在宅勤務OKなど)の案件も含めて求人がヒットしますよ。