
- コールセンターの退職理由ってどんなものがあるのかな。
- どんなストレスがあるのかな。
- 離職率の高いコールセンターはどんな特徴があるのかな。
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。
何千人もの直雇用スタッフや派遣スタッフの採用、育成、定着に関わり、センター運営をしてきた専門家です。
こういった僕が、詳しく解説していきます。
コールセンターのよくある退職理由ランキング
コールセンターの仕事にはどのようなストレスがあるのか、辞める人はどのような理由で退職していくのか、よくあるものを説明します。
業務内容、社内環境、自分起因、就業条件の4つに分類して、まとめてみました。
- クレーム対応でストレスが溜まる
- 覚える業務知識が多くてついていけない
- ノルマがキツい
業務内容に起因する退職理由ではクレーム対応がキツイという理由が最も多いです。感情移入しすぎるとダメージを受けやすいですね。
また、研修から覚える内容が多い業務は研修が進むにつれてプレッシャーを感じやすい傾向があります。研修期間が一ヶ月以上ある業務は要注意です。
最近のコールセンターはノルマはほぼありませんが、「KPI」と呼ばれる各種指標があり、応対品質やスピードなどの目標値がセンターとして設定されています。
そのため、KPI管理が厳しいセンターだと目標達成の指導が「ノルマみたいなもの」に感じることがあります。
- 上司との人間関係が悪い
- 上司によって言うことが違う
- 上司がハラスメントをする
(パワハラ、セクハラなど) - 同僚との人間関係が悪い
- 指導が厳しすぎる
- サポート体制が弱く放置される
まず、パワハラ系、セクハラ系の上司がいるセンターは環境が劣悪と言わざるを得ません。
2020年からパワハラ防止法が施行されたように、世の中的には一昔前と比べて格段にハラスメントに厳しくなりました。
それにも関わらず未だにハラスメントをする上司というのはそういった志向が染み付いており、改善の見込みはほぼありません。
人間関係に関する問題もコールセンターにはよくありますが、どちらかというと同僚の問題よりも管理者が高圧的で接しにくいという方が多い傾向があります。
また、「指導が厳しすぎる」「サポート体制が弱く放置気味」は対照的な理由ですが、大切なのはバランスですよね。
ただ、これらは辛い思いをしますが、仕事を続けてスキルが習得できてくると解決できる問題でもありますね。
- スキルがなかなか習得できない
- 精神的負担で体調不良になる
こういった問題は、自分のスキルと業務難易度がミスマッチの場合に起きやすい問題です。
ただ、基本的には採用されている時点でスキル定着が見込めるレベルと判断されているため、「スキルがなかなか習得できない」という問題については諦めずに努力を継続することが大切です。
習得ペースは人それぞれなので、まわりの人と比べる必要はありません。向き合うべきは他人ではなく自分自身です。時間がかかっても、昨日の自分より今日の自分が成長していることを大切にしてください。
ただ、あまりにも求められるスキルと自分の実力に乖離がある場合は、ストレスを強く感じるようになり体調も崩します。仕事は体を壊してまでするものではないので、体に出てしまう場合は無理せず仕事を変えることも検討するべきです。
- 業務負荷に対して給料が安い
- 休暇やシフトに融通が利かない
正直、これらの問題は仕事エントリー時に確認しておくべき内容です。ただ、就業後にこういったことに気づいてしまった以上は仕方ありません。
お金やシフト条件以上に、その仕事で得られることや学べることは何かよく考えてみてください。
その上で、そのセンターで続ける価値がないと思うのであれば、居続けてもモチベーションも上がらず良い成績も見込めませんので退職もやむを得なしです。
ただ、次の仕事選びでは同じ過ちを繰り返さないように、エントリー前に業務内容や時給、休暇やシフト条件など詳しく情報収集しましょう。
自分で解決できるもの➔努力しよう
このように、コールセンターを辞めたくなる理由はいろいろあります。ただ、コールセンターに限った話でもないですが、仕事をしていれば必ず壁にはぶち当たります。努力して踏ん張ることはとても大切ですね。
なぜなら、努力で壁を乗り越えた先に、仕事の楽しさややりがいを感じられるようになったり、収入や生活の安定が手に入るからです。ちょっと辛いくらいで辞めていたらキリがないですよね。
実際、僕も採用業務で沢山の面接を(面接官として)行いましたが、直近のバイト歴がどれも数か月しか続いていない人は、ほぼ例外なく採用した業務で定着しませんでした。
仕事を変えれば必ず困難はありますが、乗り切るための努力がとても大切です。
自分で解決できないもの➔転職しよう
ただ、そうはいっても努力が実らない環境もあります。言葉は悪いですが、頑張る価値のない職場で頑張っても、報われないどころか傷つき消耗するので、頑張る価値があるかどうかの見極めが重要です。
なぜなら「頑張る」とは、何も考えずに我武者羅にやることではないからです。頭もきちんと使った上で適切な熱量をもって取り組むことが「頑張る」というもの。
たとえば、よく空気を読み、責任感も強く、真面目な人ほどうつ病になりやすいです。本来であればそういったタイプの人は評価されやすいし、多くの場合は重宝され、昇進もします。当然報われるべき人です。
ただ、自分一人の力には限界があるので、劣悪な環境下では一人で無理をすると押しつぶされ、疲弊し、心身を滅ぼします。
たとえば、火事が起きて大きく燃え広がった場合、一人で気合で消化活動しないですよね。それをやったら大やけどするし、下手すると死にます。そこは逃げる判断をしないとダメですよね。
コールセンターもそれは同じです。時々、正直僕が聞いてもビックリするくらい環境の悪いセンターがあるのが実態です。
なので、本当にそこで働く価値があるのかどうかきちんと見極め、明らかにダメな職場なのであれば、ご縁がなかったと判断することも時には必要です。努力もほどほどに。
退職の多いコールセンターの特徴
要するに伝えたいことは、努力のしどころを見極めよう、努力する価値のある場所で努力しようということです。
その参考情報として、離職率の高いコールセンターの特徴を以下にあげてみました。
- クレームが厳しい
- 常に電話が鳴りっぱなし
- 目標値が高く管理者のプレッシャーが強い
- 手上げの質疑対応が冷たい
- 管理者が高圧的
- 「こんなこともわからないの?」「研修で習ったよね?」と言われる
- 質問しにくい雰囲気
- 管理者に従って対応したのに別の管理者からは誤案内だと怒られる
- 管理者のサポートが薄く放置気味
- メンタルケアの面談がない
- 定期的な1on1などでのきめ細かいサポートがない
- 悪いことは指摘されても良いところは褒められない
- 残業が恒常的に月30時間以上(労働基準法違反)
当てはまる数が多ければ多いほどコールセンターとして劣悪な環境です。
完璧なセンターというのもなかなか無いかもしれませんが、半分以上が該当するようであれば要注意ですよ。
まとめ
以上、コールセンターによくある退職理由についてまとめてみました。
頑張る価値のない職場で頑張りすぎるとメンタル不調になります。精神を病むと、仕事はできなくなる、自信もなくなる、病院代もかかるで身も心も財布事情も寒くなる一方です。
そうならないように、頑張りどころをしっかりと見極めていきましょう。
仕事選びやストレス対策について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてくださいね。