
- コールセンター受信業務の対応のコツが知りたい
- そもそも、どういうタイプのお客さんがいるんだろう?
- お客さんのタイプに合わせて上手に対応できるようになりたい
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。
何千人もの直雇用スタッフや派遣スタッフの採用、育成、定着に関わり、センター運営をしてきた専門家です。
こういった僕が、詳しく解説していきます。
コールセンター受信対応のコツは、カスタマーのタイプに合わせてアプローチを変えること
コールセンターのオペレーターは、毎日沢山の顧客対応をしています。企業の顔として、消費者目線の要望やニーズを理解し、沢山の問題解決をしています。
カスタマーにもいろいろなタイプがいるため、それぞれのタイプの特徴について把握しておくことは大切です。
それにより、どのようなカスタマーから入電があっても一定のパフォーマンスを発揮し、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供することができるようになります。
そこで、本記事では、僕たちが普段接するカスタマーのよくある9つのタイプと、対応方法についてまとめてみました。日常業務のヒントにしてもらえると嬉しいです。
経験豊富なオペレーターは、カスタマーとつながった瞬間に「空気を読む」方法を知っています。カスタマーに合わせてアプローチを調整するスキルを持つことは、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供することに非常に効果的です。
その①:ネガティブなカスタマー
ネガティブなカスタマーは、自分の不満を理解してもらいたいと思っています。
あからさまに否定的な感情をぶつけてくるというよりは、むしろ冷めていたり淡々とした話し方でオペレーターを困らせようとしてきます。
何かしらの不快な経験をしており、そのためにコールセンターに問い合わせをしなければならない事態に腹を立てています。
- まずは共感を示しましょう。信頼をつかむには一貫した対応が必要です。
- 建設的な会話を保ち、問題の解決に集中しましょう。
- 落ち着きを保ちましょう。相手の低レベルな会話に合わせて皮肉で返すのは避けましょう。
その②:ポジティブなカスタマー
ネガティブなカスタマーと違い、ポジティブなカスタマーは好意的な様子で会話ができます。
当然、オペレーターにとっては対応しやすいタイプのため、顧客満足が得られやすいです。
場合によっては、ビジネスに関してポジティブなフィードバックを得られることもあります。
- ポジティブなフィードバックには常に感謝を示しましょう。
- ポジティブなフィードバックを得られた際に、内容を文書化、共有するプロセスを整えましょう。
- 友達だと勘違いしないでください。気持ちの良い関わりが維持できるよう、プロとして会話をコントロールしましょう。
その③:混乱したカスタマー
混乱しているカスタマーは、落ち着いて話せる状況ではありません。
注文番号を把握していない、購入したサービスを理解していない、オペレーターに何を解決してもらいたいのか整理ができていないといった状況です。
こういったカスタマーはオペレーターを頼みの綱としており、すべてを解決してほしいと頼っています。
- 常に明確で簡潔な質問をしましょう。
- ひとつひとつ丁寧に説明し、理解できているか都度確認しながら会話を進めましょう。
- カスタマーの気分を害しないように注意しましょう。喜んでサポートしますよ、他にも同じ問題で悩んでいる人が沢山いますよ、ということが伝わるような関わりを持ちましょう。
その④:知ったかぶりのカスタマー
何も知らないカスタマーよりタチの悪いのは、すべてを知っていると思い込んでいるカスタマーです。
こういったカスタマーは、たとえ自分の情報が間違っていたとしても、細かくオペレーターを正そうとしてきます。
「私は〇〇年間も顧客なんですよ」と、まるで自分の方が詳しいと言わんばかりのマウントを取ってきます。
- 親切かつ毅然と接しましょう。オペレーターとして、ビジネスの専門家としての立場を維持しましょう。
- カスタマーの間違いを正すときは慎重に。ネガティブな話をするときは、ポジティブな話や建設的な話とセットにしましょう。
- カスタマーの間違いを必要以上に強調しないでください。誤った情報をどこで入手したのか確認し、その正確性や妥当性を検証しましょう。
その⑤:おしゃべりなカスタマー
コールセンターのオペレーターは、対応一件一件の解決に費やされた時間に基づいて評価されることがよくあります。
しかし、時々、自分の話を延々としゃべり続けるカスタマーに出くわすことがあります。
このような会話は目の前で起きている問題とはかけ離れていることがよくあり、オペレーターを困らせる場合があります。
- 笑顔でカスタマーの話に反応しましょう。電話でも顔の表情は伝わります。
- 話が問題から逸れた場合は、その都度、そっと会話を元の問題に戻しましょう。
- 話を強引にさえぎったり急かしたりしないでください。「聞いてもらえている」とカスタマーが感じることは大切で、そのためには会話にある程度の時間をかけることは必要です。ただし、本来の問題からかけ離れないよう常に意識をすることは忘れないでください。
その⑥:片言のカスタマー
口数の少ないカスタマーには独特の問題があります。
元々無口な性格な人であったり、外国人で言語の壁に苦しんでいるパターンもあります。
理由が何であれ、問題解決に必要な情報をカスタマーからいかに引き出せるかはオペレーター次第です。
- YESかNOで答えられるクローズド・クエスチョンを使いましょう。
- こちらの話が理解できないようであれば、都度、別の言い方に変えてみましょう。
- カスタマーから具体的で適切な返答がなくても、問い詰めないでください。僕たちの使命はカスタマーのサポートであることを忘れないでください。
その⑦:怒っているカスタマー
怒っているカスタマーは、オペレーターと電話でつながっている間、非常に悪い心理状態で復讐心をもっています。
問題解決を望んではいるものの、特定の解決策に固執し、他の選択肢を認めようとしない場合があります。
時に、叫んだり脅したりすることでオペレーターを圧倒しようとすることさえあります。
- まず発散させ、叫ばせ、不満を吐き出させましょう。やがて、呼吸を整えるために一時停止するタイミングがあります。そのタイミングを見て、会話のコントロールを取り戻していきましょう。
- 常に元の問題と結び付けましょう。元の問題から会話が逸れた場合は、都度会話を戻してください。
- カスタマーが熱くなっても、冷静さを失わないように。カスタマーの熱や挑戦的な態度に対処するための鍵は忍耐です。
その⑧:のんびりしたカスタマー
のんびりしたカスタマーは、基本的にその場の流れに身を任せます。
問い合わせした問題について、オペレーターの言うことに完全に従います。
何の疑いも持たずに、案内した内容をすべて額面通りに受け取ります。
- カスタマーのペースに合わせましょう。そうすることで、カスタマーは安心して会話ができ、問題解決に向けた信頼関係を築くことができます。
- オペレーターの説明していることをきちんと理解できているか、話に付いてこれているか都度確認しましょう。それにより、カスタマーが「しっかりサポートしてもらえている」と感じることを促します。
- 手を抜かないでください。面倒なことより手抜きしたいと思うかもしれませんが、後々苦情を受けるよりマシです。
その⑨:支配的なカスタマー
支配的なカスタマーは、問い合わせした問題について、許容される範囲の中で最大限の特別対応を受けようとします。
こういったタイプの人は非常に細かく、つまらないあら捜しをしたり、かけ引きを通して自分が優位に立とうとしてきます。
- 会話をコントロールしながら、カスタマーの見方、考え方を検証しましょう。
- 丁寧かつ毅然と対応しましょう。オペレーターは、カスタマーに好き放題させてはいけません。
- あれこれと一人で考え込む必要はありません。オペレーターは対応を通じて、常に自分の知識ベースに自信を持つ必要があります。
まとめ
以上、コールセンター受信対応のコツについてまとめてみました。
本記事を参考に、異なるいろいろなタイプのカスタマーに合わせてアプローチの仕方を変えることを試してみてください。
未経験の方で、これからコールセンターの仕事をしてみようか検討している方は、以下記事も参考にしてみてくださいね。