コールセンターで電話が怖い?クレーム対応や暴言の消耗に23の提案

電話怖い
  • もう電話を取るのが怖い。
  • 次もまたクレーム引いちゃうかも。
  • また理不尽に怒鳴られたらどうしよう。

こういった悩みに答えます。

まず結論から言うと、どうしても苦しいならキッパリ辞めて別のお仕事に変えてしまってOKです。

なぜなら、あまりにストレスの強いお仕事はどのみち長続きしないし、必要以上に頑張りすぎるとうつ病になりメンタルを病むからです。

本記事の前半「ソフト編」では電話が怖いという状況を解消するためのアドバイスをしていますが、それでも難しい場合は後半「ハード編」を参考にしてみてください。

もう本当に無理!本当は今の仕事をすぐ辞めたい!と思っている人はハード編にジャンプ!すぐに辞めるのが悪ではない理由を説明して、あなたの気持ちを後押ししますよ。
この記事を書いた人

つと
  • コールセンター業界歴15年
  • 現役のオペレーションマネージャー
  • 1,000人以上の採用、育成の実績あり
  • 国家資格キャリアコンサルタント保持

コールセンターで電話が怖い人へのアドバイス【ソフト編】

コールセンターで働いているとクレーム対応に遭遇します。嫌ですよね。怖いし、凹みますよね。

なぜ怖くなるかというと、カスタマーに圧倒されて頭の中が真っ白になったりパニックになったりするからですね。

何をすれば良いのかわからなくなるから、ただただ怖い思いをする……最初の僕もそうでした。

しかし、本記事で解説するようなクレーム対応への考え方、テクニック、気持ちの切り替え方を身につけることができれば、徐々に気持ちの余裕を持って対応できるようになります。

それらについて、ひとつひとつ説明していきます。

ソフト編①:クレーム対応の基本的な考え方

①まずは深呼吸をしよう

怒りをぶつけられてパニックになったり頭が真っ白になると、冷静に話を聞けなくなります。

無意識に浅く短い呼吸になりがちですが、それは交感神経を優位にさせ、ますます緊張状態を強くします。

まずは深呼吸をすることで副交感神経を刺激し、リラックスした状態に少しでも近づけること。

そして、「大丈夫」と自己暗示し、自分に言い聞かせましょう。

②声だけでは本当に怒っているかわからない

電話の声を聞くだけでは、カスタマーの本当の気持ちはわかりません。

声が大きい人、声が低い人、早口な人など、高圧的に感じる話し方をする人がいますが、意外とその人の中ではそれが普通ということが結構あります。

たとえば、関西の方が普通に話しているのを聞いて「あの人は怒っている」と勘違いする人は意外と多いです。(関西の方すみません!)

声だけで決めつけないで、元々そういう話し方の人かもしれないなということも頭の片隅に入れておきましょう。

③気持ちを汲み取った対応を心がけよう

クレームは相手の立場になって聞くのが基本です。クレームのはけ口として「一方的に文句を言われるだけ」と思うと辛いですよね。

基本的に、カスタマーはみんな「話を聞いてほしい」「私の不満をわかってほしい」と思っています。

なので、カスタマーの視点で話を聞き、「確かに自分が相手の立場なら不満に思うよな」ということを感じながら、相手の気持ちを汲み取った対応を心がけましょう。

実際に問題が解決できるかどうかはその次です。問題解決そのものよりも気持ちの理解の方がまず重要です。

④スルースキルは重要

クレームは傾聴が大事といいますが、あまりに横暴なカスタマーに対しては話をマジメに聴きすぎると消耗します。

そういう時は、相手の話す言葉から感情を無視して、淡々と情報だけを取り入れるように聞きましょう。

イメージとしては、濁った水をフィルターで濾過していく感じ。

負の感情は心のフィルターで遮断し、感情を取り除いた必要情報(具体的に何が不満なのか、要望は何かなど)のみに集中しましょう。

⑤推測案内はしない

クレームを受けた時に、ちょっとわからないことを質問されると「わからない」と言いにくく、知ったかぶりで推測案内をしてしまう方が結構います。

ただ、そういった推測案内や曖昧な回答は非常に危険。

それで結果的に誤案内をしてしまうと後から訂正するのが大変ですし、上司からも叱られることになります。

決して一人で完結しようとせず、上司を巻き込んで確認したり、時間がかかりそうなら折り返し対応にするなどしましょう。

⑥ほとんどはあなたに対する文句ではない

クレーム対応をしていると、あたかも自分自身が悪いと責められた気になるかもです。

しかし、大部分はあなた自身へのダメ出しではなく、会社や商品、サービスに関するご意見であることがほとんどです。

なので、あなた自身が悪いのではないので、無駄に落ち込みすぎないようにしましょう。

⑦自分一人で解決しようとしない

理不尽なことを言われたり、知らないことを質問されて追い詰められたらどうしようと思うかもしれませんが、一人で解決しようと思う必要はありません。

そういった時のためにSVやLDがいます。困ったときは無理しすぎず、「私では判断できませんので、一度確認をさせていただきます」などと言って一旦保留にし、エスカレしましょう。

みんな最初から一人でクレーム対応できるわけではありません。何度かエスカレしながら自然と対応方法も覚えていくものなので、最初から一人で無理する必要はありません。

⑧カスハラはもはや客ではない

クレーム対応と似ているものとして、「カスハラ」がありますね。カスタマーハラスメントです。

クレーム対応は会社や商品、サービスに対する厳しいご意見であるのに対して、カスハラはそういった次元を超えた暴言や人格否定、恐喝です。

こういった人はもはや「客」ではないので、そういったことにマジメに向き合って無駄に精神を削られる必要はありません。

適度にスルースキルを発揮しながら、無理せず管理者にエスカレしましょう。

⑨誰がやっても同じと割り切る

クレーム対応の案件を引くと辛いですが、最初から怒っている人などは特にあなたのせいではありません。

他の誰が対応しても、だいたいは同じ結果になります。

自分一人で対応しきる範疇を超えているので、自分が悪いと責めすぎず、誰がやっても同じと思って割り切りましょう。

⑩結果にこだわらない

そもそも完璧な仕事をしようとこだわらないでください。完璧に対応しようと思えば思うほど、うまくいかない現実に苦しみます。

対応の結果はどうあれ、一生懸命対応できたらそれでオッケーです。結果よりも一生懸命向き合ったプロセスを大切にしましょう。

場数を踏んで経験すれば、必ずゆっくりでも上達していきますよ。

ソフト編②:クレーム対応の基本的なテクニック

ここまでで、クレーム対応に関する基本的な考え方や心構えについて説明してきました。

ここからは、クレーム対応の実践的なテクニックについて解説していきます。

①話を最後まで聴こう

まず大事なのは、カスタマーの言うことを途中でさえぎらず、話を最後まで聴きましょう。

根本的にカスタマーはまず「自分の話を聴いてほしい」「自分の言い分を理解してほしい」と思っています。最初はその思いをすべて吐き出させることがとても大切です。

この段階では誰が何を言っても効果がないので、ある程度時間はかかりますがそこは受け入れること、負の感情を吐き出させて一旦気持ちをニュートラルに近づけることが、まず大切です。

この時点では問題解決そのものよりも、気持ちの理解の方が重要です。こちらから何か言おうとしても、コップを逆さまに置いてるうちは水は入りません。

②相槌のバリエーションを持とう

まず大切なのは最初に相手の話を十分に聴くことですが、その時に気をつけたいのは相槌のバリエーションです。

ずっと同じ相槌を繰り返すと淡白な印象を与え、相手から「ちゃんと話聞いてるのかな」と不審がられます。

以下は一例ですが、相槌のバリエーションを自分なりに用意しておいて、ローテーションしながら使うと良いですね。

  • はい
  • ええ
  • さようでございますか
  • そのようなことがあったのですね
  • それは~ということですね
  • と、おっしゃいますと
  • オウム返し

など

③パラフレーズと要約を使いこなし、信頼関係を築こう

話を最後まで聴く姿勢に、相槌のバリエーションまで加わればかなり良い感じになりますが、それでもまだ足りません。

カスタマーは根本的に話を聴くだけでなく「自分の言い分を理解してほしい」と思っています。

そのため、会話の中でパラフレーズと要約をできる限り多く取り入れるようにしてください。

パラフレーズとは

相手の話したことを自分の言葉に置き換えて繰り返し、理解を確認すること。

要約とは

ある程度続いた会話の内容について、論旨・要点を短くまとめること。

パラフレーズや要約を多く取り入れることで、カスタマーは「そうそう、そういうこと」となります。

話をきちんと聞いて、理解していますよというメッセージになるんですね。

話したことをきちんと理解してくれているとわかったカスタマーは、最初は興奮していても、徐々に気持ちが落ち着いていくものです。

逆に、パラフレーズや要約がなく、いつもうなづいているだけだと、「あなた本当にわかってます?!」となりかねません。

また、パラフレーズや要約が適切にできないと、カスタマーの話の意図が汲み取れず噛み合わなくなり、余計に怒られることになります。

噛み合わない会話をしてしまうと、「だから、さっきから言ってるよね?!」「あんたじゃダメだから上に代われ!」などということになってしまいます。

そのため、パラフレーズや要約を多く取り入れることは、クレーム対応において非常に重要です。

④謝罪は部分的にしよう

クレームに当たると、とりあえず何でも「申し訳ございません」と誤ってしまいがちですよね。

ただ、漠然と「申し訳ございません」と繰り返すのは、逆に適当にあしらっているイメージにも見えますね。

それに、何でも謝罪してしまうことは、すべてこちらが悪いと認めることと同じ意味にもなり、クレーマーを勢いづかせます。

そうさせないために、事実確認が必要なことは一旦スルーして、「不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」「ご心配をおかけしており申し訳ございません」など謝罪する対象を限定しましょう。

「〇〇〇して申し訳ございません」と具体的にした方がカスタマーも納得しやすくなるものです。

事実確認などは、部分謝罪した後にすれば良いことです。

⑤問題と要望を特定しよう

相槌やパラフレーズ、要約を駆使しながらカスタマーの負の感情を吐き出させ、話を十分聴いた後は、問題の把握に努めましょう。

  • どういう問題が起こっているのか
  • それに対してカスタマーは何を求めているのか

問題と要望が特定できれば、あとは解決策を提示するだけです。

要望は実現できることとできないことがあるので、無理して一人で考えず、不安な時は一度保留にして管理者にエスカレしてください。

要望に応えられない場合は、応えられない代わりに何か別の代替案を提示できることが大切なので、そこも含めてエスカレ時に確認しましょう。

⑥エスカレは端的にまとめよう

実際に管理者にエスカレする時は、できるだけ内容を端的にまとめましょう。

ときどき1から10まで事細かに教えてくれようとする方がいますが、それをすべて話している間も、カスタマーを待たせています。

長い話は管理者側としても全体像がわかりにくく「結局この話はどこに行き着くんだろう」と思いながらエスカレ内容を聞くことになります。

  • クレームを受けているという事実
  • 問題の中身
  • カスタマーの要望

まず結論から話すことが大切なので、この3点を管理者に伝えて、必要に応じてその後に補足をしてください。

そうすると、管理者側も先に全体像を把握できてスムーズですし、カスタマーを待たせる時間も短縮できます。

⑦落ち着いた声で話そう

クレームで勢いづいているカスタマーは、声が大きくなったり、声が高くなったり、早口だったりします。

そういったカスタマーに対して同じ波長で会話をすると、ますます勢いづかせ、テンションを上げてしまいます。

そのため、こちらはむしろ、カスタマーよりややゆっくりめで、低めの声で話し、少しずつテンションを落とすことを意識しましょう。

ゆっくり声を低くして話すと、相手側にはカスタマーの不満をしっかり受け止めてくれているように聞こえます。

⑧正面で受け止めずに受け流そう

ときどきクレーマーに対して正面衝突する方がいますが、それはかなりメンタルを消耗します。

クレーム対応に限ったことではないですが、ガチャガチャ正論をぶつけても解決することはなく、余計に相手をムキにさせるだけです。

格闘技でも相手の攻撃を真正面で受け止めず、受け身をとったり受け流したりしますよね。

コールセンターのクレーム対応も同じで、相手の言うことをすべて真に受けてたら辛すぎます。

なので、具体的にはYES BUT法をうまく活用しましょう。

カスタマーに反論したい時は、正論を振りかざす前に、「そうですよね、○○○様の立場で考えればそうおっしゃるのも当然だと思います。ただ、〜〜〜」のように、まずは一旦「あなたの言うこともわかりますよ」「あなたにしてみればそう思うのも当然ですよね」というワンクッションを入れましょう。

これを入れるのと入れないのとではカスタマーの反応も変わってきます。フリでも良いので、一種の挨拶だと思って意識してみましょう。

ソフト編③:クレーム対応後の気持ちの切り替え方

ここまでで、クレーム対応で消耗しないための基本的な考え方や対応方法について解説してきました。

ただ、いくら対策しても、クレーム対応をしている以上、ある程度の負担はありますよね。

そういったストレスについても溜め込まず、こまめに解消することがとても大切です。

①先輩や同僚に悩みを話そう

嫌なことがあった時に一人で考えると視野が狭くなり、ネガティブになる一方です。

そんな時は先輩や管理者、研修担当など誰かに話すことで気持ちが落ち着き、整理されるものです。

自分が感じたことは、他の人も経験しています。

誰かに話すことで何か良いアドバイスをもらえたり、解決策が見えることもあります。

そういった悩み相談のしやすい、信頼できる人を見つけておきましょう。

②一旦、その場から離れよう

強いストレスを受けた時に、まずはそのストレス原因(=ストレッサー)から離れることが大切です。

もし、あなたの努めているセンターに、クレームを受けた直後のリフレッシュタイムが認められていれば、積極的に活用しましょう。

認められていない場合でも、気力がなくなりそうなくらい消耗している場合は、一度トイレに行くなどして深呼吸や軽いストレッチなどしてリフレッシュしてきましょう。

HPが無くなるよりはマシです。HPが無くなったら退職するしかないですからね。

HP

RPGゲームでいうところの体力。なくなると死ぬ。

③シフト削減の相談をしよう

いろいろ対策しても、どうしてもクレーム対応が辛すぎる場合がもしあれば、シフト削減を相談するのも「有り」です。

これも、ストレス原因(=ストレッサー)から離すことにつながります。

センター側がシフト削減に応じてくれるようであれば、一時的にでも勤務日数や時間を減らして、気持ちの回復に努めましょう。

④自分のストレス解消法を持とう

その他、自分のストレス解消法を持つことはとても大切です。

仕事後や休日などに十分な休息をとったり、自分の好きなことや楽しいことで気分転換するなどしましょう。

オン・オフのメリハリを付け、プライベート時間では仕事のことを完全にシャットアウトしましょう。

>> ストレスを解消する7つのコツ(情動焦点型コーピング)

コールセンターで電話が怖い人へのアドバイス【ハード編】

以上、【ソフト編】のアドバイスを解説してきました。

これで解決できそうであれば、トライしてみてほしいと思います……が、実際そうもいかないくらいすでに激しく消耗している場合もあると思います。

そういった場合のアドバイスがこちら。

辞めてしまって何が悪いんですか?

コールセンターは電話の商売です。電話が怖いのならば無理せず辞めれば良いのでは?電話が緊張ならわかります。ただ、気づいてないかもですが、怖いって相当ヤバい状態です。

サッカーボールが怖いサッカー選手はいませんし、包丁が怖い料理人もいませんよね。

仕事は体を壊してまでやるものじゃないです。特に、それでメンタルを病んだら回復には相当長い時間がかかります。

そもそも、コールセンターのすべてがクレームばかりではありません。クレームが少ないセンターも普通に存在しています。

それなのに、たまたま選んだクレーム負担の強い仕事で今日も明日も明後日も好き好んでクレームを受けるんですか?……という話です。

その業務をしたくて働いているのですか?

そうではなくて、生活に必要なお金が稼げたらそれで良いんですよね?

だとすれば、無理せず辞めたら良いと思いますよ。クレームの少ないセンターに入り直せば良いだけですからね。

業務は自分の能力だけでなく向き不向きの相性があります。

あなたにとって難しい業務でも、それが得意かもしくは苦にならない程度にやれる人は他に沢山います。そういう人に任せて、あなたは自分の力を発揮できるセンターで働けば良いだけです。

それでも、まだ今の業務で心身を壊しそうになりながら消耗しますか?

まとめ

以上、コールセンターで電話が怖くなった方向けのアドバイスをまとめてみました。

まずは、クレーム対応の基本的な考え方やテクニックなどを学び、クレーム対応力やストレス耐性を上げることに努めてみてください。

ただし、心身を壊したり、メンタル不調になるまで頑張るのはやりすぎなので、限界だと思った時は無理しないで別のセンターに移ることも検討しましょう。

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