
- インバウンド業務で対応品質を上げるコツが知りたいけど……
- やってはいけない対応ってどんなのがあるんだろう?
- 改善するにはどうしたらいいんだろう?
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。
通販系のインバウンド業務を行うセンターのマネージャーとして、オペレーターの品質改善に関わってきました。
また、僕自身、過去には外資のコールセンターでオペレーター経験を積み、インバウンド対応のノウハウを学んできました。
こういった僕が、詳しく解説していきます。
①カスタマーの話にかぶせる
カスタマーの話している最中に自分の話をかぶせてはいけません。
これをされたカスタマーは多くの場合、立腹して余計イライラしたりムキになったりします。
実際、カスタマーの話をさえぎってかぶせることで顧客満足度が上がったことを見たことがありません。自分がされたら嫌ですよね?
なので、カスタマーの話にかぶせて自分の話をするのはやめましょう。
②あれもこれも説明しすぎる
知識豊富なオペレーターにありがちですが、実はありがた迷惑です。カスタマーが気にしていないことを長々と説明するのは時間の無駄ですね。
問い合わせをしてくるカスタマーはできるだけ短時間で問題を解決したいと思っています。
そのため、1から10まですべての説明をすることは、正直オペレーターの自己満足になりかねません。
特に、カスタマーが通話料を負担している場合はなおさらです。
手短にかつ要点を突いた説明を心がけましょう。
③問題を再現しないまま対応する
インバウンド業務で問い合わせ対応をする場合、推測案内をすると問題が解決しないばかりか対応時間も無駄にかかります。
たとえばWebサービス関連の問い合わせの場合、カスタマーが遭遇している問題を自分の画面上でも再現しながら進めましょう。
わかったつもりでいても話が噛み合わないというトラブルを防ぐことができます。
④トークのペースが合っていない
コールセンターの仕事は声だけのやり取りです。表情やジェスチャーは使えません。
そのため、カスタマーにとって、オペレーターが相手にとって聞き取りやすい、理解しやすい話し方をすることは顧客満足の上ではとても大切です。
- 話すスピード
- 声の大きさ
- 声の高さ
- テンション
- 間のとり方
これらを相手に合わせることを「ペーシング」といいます。ペーシングが上手くできると相手は話を受け入れやすくなります。
また、話の抑揚や強弱をつけることで、カスタマーはあなたの話を更に理解しやすくなります。
⑤わからないことを曖昧にする
質問されたことについて確信が持てない状態なのに曖昧なまま回答するとカスタマーの信頼を失います。
わからないことは決して悪いことではありません。
むしろ、それをきっぱり認め、きちんと確認した上で案内することによって、逆にカスタマーの信頼につながります。
⑥カスタマーの質問の意図を汲み取ろうとしない
インバウンド業務の対応では、カスタマーの言うことを文字通り受け取るのではなく、カスタマーの視点になって対応することが大切です。
たとえば、「◯◯できますか?」と質問され、その回答がNOだったとしても、単に「◯◯はできかねます」と回答して終わってはいけません。
今そのカスタマーが何に困っているのかヒアリングしましょう。
それにより、カスタマーが考えていなかった別の解決手段を提示することができるかもしれません。
⑦専門用語を多用する
社内で会話するときは専門用語を使った方がはやい場合もありますが、顧客対応では専門用語はあまり使わないことをおすすめします。
社内で当たり前のように使用されている用語もカスタマーにとっては当たり前ではありません。
できるだけ噛み砕いて、素人にもわかりやすい表現を使うべきです。カスタマーによって知識もバラバラです。
優秀な人ほど、難しいことをやさしく噛み砕いて説明するものです。
⑧難しいこともすべて口頭だけで説明する
たとえば、何かの手続きや設定の手順など、難しいことや長くなることを口頭のみで説明するのは厳しい場合があります。
内容によっては、それが記載されているヘルプページへ誘導したり、補足メールを送るなどして、どこを見ればわかるのかを示してあげることも有効です。
そうすれば、電話で説明したことをずっと覚えていなくても大丈夫ですよね。
⑨保留時間が長い
対応中に何かわからないことがあり、一度電話を保留にして確認することはよくあります。
それ自体は悪いことではありませんが、保留時間が長いと待たされる方はイライラします。
少なくとも1〜2分くらい経過したら一度保留解除し、「ただいまお調べしておりますので、もう少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか。」など差し込む方が親切です。
⑩「できません」を連発する
カスタマーの要望に対して「できかねます」の一点張りは危険です。連発するほどカスタマーを怒らせます。
要望に答えられない場合でも、何か代替案を提示する姿勢がとても大切です。
代替案の提示すら難しい場合、最低でも「今後の改善案として担当部署に報告させていただきます。」と一言入れるだけでも違います。
⑪カスタマーを置き去りにして話を進める
説明が長くなる時に、カスタマーを置き去りにするとカスタマーの満足度は下がります。
特に、その商品やサービスを使い始めて知識が浅いカスタマーや、年配の方などには配慮が必要です。
話の合間に適切な間を取りながら、話すスピードも考えながら説明するように心がけましょう。
⑫何でも答えを教えすぎる
すべてを教えることは一見良いことかもしれませんが、実はそうとは限りません。
なぜなら、カスタマーの自己解決する力を伸ばさないと、また同じことでコールセンターに問い合わせをしてくるからです。
それはカスタマーにとって手間ですし、コールセンター側にとっても忙しくなる一方ですよね。
たとえば答えの書いてあるヘルプページを案内するなど、同じ問題が起きても自分で解決できるような支援を心がけることが大切です。
釣った魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教えましょう。
まとめ
以上、コールセンターのインバウンド業務におけるコツをまとめてみました。
インバウンド業務は覚えることも多く、なかなか話し方まで気をつける余裕が最初のうちはないかもしれませんが、本記事の内容をひとつひとつ習得していくことで対応品質を向上することができます。
インバウンド業務の品質向上について更に詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてみてくださいね。