コールセンターアウトバウンド業務の重要テクニック12選

テレアポのコツ
  • アウトバウンド業務で契約を取るコツが知りたい。
  • トップアポインターはどんなことを意識しているんだろう?
  • テレアポで成功している人達に共通するテクニックは何だろう?

こういった疑問に答えます。

この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。

通信系のアウトバウンド業務を行うセンターでマネージャーとして、アポインターの育成に関わってきました。

また、僕自身バイト時代はアウトバウンド業務のトップアポインターとして活躍し、社内表彰などを受けてきた経験もあります。

本記事の内容をマスターすれば、アウトバウンド業務で少なくとも平均以上の成績は出せるようになりますよ。




アウトバウンド業務の重要テクニック4選(考え方編)

①テレアポは確率論だと理解しよう

商材にもよりますが、テレアポは9割以上は断られるのが当たり前です。トップアポインターがやっても誰がやっても9割以上は獲得できません。

なので、全員から成約しようとしてはいけません。どのみち取れない9割の人に対して「獲得できない…」と無駄に凹んではいけません。

獲得できない人に時間をかけるのは無駄です。

1割の獲得できるお客さんをドンドン探して、話を聞いてくれる人に時間と労力をかけましょう。

そのためには、コール数が非常に大切になります。話を聞いてくれる人を探すために、ドンドン電話をかけましょう。

②最も重要なのは「当たり前感MAX」

テレアポはこちらから勝手にお客さんに電話している手前、当たり前感MAXでいくのが非常に大切です。

本当に大事なのでもう一度いいますが、当たり前感MAXです。

なぜ大事かというと、説得力が全然違うからです。「この商品またはサービスを利用した方が当然メリットになりますよ!」という説得力です。

本来、本当にメリットのあるお客さんでも、アポインターの話し方が変に空気を読みすぎて下手に出て遠慮がちに話してしまうと、伝わるメリットも伝わりません。

もしかすると、人によっては当たり前感MAXの感覚に抵抗感のある人もいるかもしれませんが、当たり前感MAXでもそうでなくても、先ほど解説した9割の断られるお客さんは不要と思えばきちんと断ってくれます。

こちらから相手の時間を奪って一方的に電話しているのだから、しっかりメリットを伝えないと、本来獲得できるはずの契約も取りこぼしてしまいます。

一番ダメなのは「中途半端」であることを心に留めておきましょう。

③スクリプトは暗記しよう

トップアポインターはまず間違いなくスクリプトを暗記しています。暗記だけでなく、中身を理解しています。

スクリプトの流れがわかっていると、自然とトークがスムーズになります。それがお客さんの安心感につながります。

テレアポは表情やジェスチャーなどは使えず、声だけのコミュニケーションになります。

社会的に電話での詐欺行為も後を絶ちません。

そのため、そもそも電話営業はお客さんに不審がられやすいものです。

そのため、スムーズに会話できることが安心感と説得力をもたらし、それが成約への後押しになるのです。

④スクリプトを上から下まで読み切ろう

当たり前ですが、スクリプトを上から下まで読み切れば成約となります。そのため、アポインターはスクリプトを下まで読み切ることを強く意識する必要があります。

そのためには、基本スクリプトとは別にある「切り返しスクリプト」を駆使する必要があります。

切り返しスクリプト

断り文句や質問別の回答集。こう言われたらこう返そう!というのがわかります。

基本スクリプトに沿って話していくと、途中で必ず質問や断り文句が入ってきます。

質問や断り文句で一旦それた話を、切り返しスクリプトを活用することで再び基本スクリプトに戻していくイメージです。

基本スクリプトのみで成約するケースはほぼ無いので、成約するにはだいたい少なくとも2〜3回は切り返しスクリプトで基本スクリプトに戻していく場面があります。

そのため、スクリプトは基本スクリプトと切り返しスクリプトの両方を頭に叩き込んでおきましょう。

切り返しスクリプトを使う際の瞬発力が大切で、ここがスムーズにいけるとかなり説得力が増し、お客さんの納得感が高まります。

アウトバウンド業務の重要テクニック8選(実践編)

①時間帯で戦略を変えよう

テレアポは時間帯によって獲得できる難易度が変わります。

なぜなら時間帯によってキーマンとの接触率が違うからです。誰がキーマンになるのかは商材によって変わります。

キーマン

その商品やサービスを契約するか決める権限をもつ決裁者のこと。テレアポではキーマンとどれだけ接触できるかが非常に大切。

たとえば通信系の商材の場合は、多くの場合キーマンはご主人です。

夜間帯や土日祝だとご主人と接触できる確率は高いですが、平日日中帯はご主人と接触できる確率が低いです。

キーマンと接触できる時間帯(コアタイム)はその場でしっかりクロージングして、一本釣りを狙いましょう。

キーマンと接触できない時間帯(非コアタイム)はコツコツ「見込み」づくりに励みましょう。

見込み

キーマンがいる時に再度改めOKと確認が取れた案件のこと。

キーマンの在宅時間の情報有無、非キーマンである程度の感触がつかめているかなどで、S、A、B、Cなどランク付けすると管理しやすい。

②フロント突破にこだわろう。

テレアポはフロント突破が命です。フロントをいかに突破できるかが成績を大きく左右します。

フロント

最初の名乗りや要件などを伝える電話の導入部分のこと。「アプローチ」と呼ばれることもある。説明のための時間をいただくことが目的。

ここで注意すべきは、お客さんに面倒と思われないことです。話の内容以上に、感覚的に「面倒くさそう」と思われると拒否られます。

もったいぶらず、手短に簡潔に要件を伝えましょう。余計な自分語りや前置きが長いのはNGです。最初の10秒が勝負です。

また、フロントでは一度断られただけですんなり引き下がってはいけません。軽い拒否は挨拶みたいなものです。最低でも2〜3本は切り返しするように心がけましょう。

ただ、究極は、同じトークを使っていてもなぜかトップアポインターはフロントで拒否られる確率が低いです。トップアポインターは断られない話し方をしているので、何を話すか以上に、「どう話すか」を大切にしましょう。

③話の内容よりも「話し方」が大切

先ほども説明した通り、テレアポは「面倒くさそう」と思われたら終わりです。

面倒くさそうと思われないためには、お客さんにとって受け入れられやすい話し方をしなければなりません。

そのために必要なのは、「ペーシング」という技術です。ペーシングとは、相手の話し方や状態、呼吸などのペースを合わせることです。

また、滑舌が異常に悪かったりモゴモゴした話し方などで「ウザい」と思われないようにすることも大切です。

相手に受け入れられやすい話し方をするために、具体的にはこれらの点を意識する必要があります。

  • ハキハキとした声で話す
  • 声の大きさを十分に出す
  • 声の高さを相手に合わせる
  • 話すスピードを相手に合わせる
  • 声に抑揚や強弱をつける。淡々と話さない。
  • テンションを相手に合わせる(ただし、微妙にお客さんより高めにする)
  • 適度な間をもたせる(相手を置いてきぼりにしない)

電話は声だけのコミュニケーションです。聞き直しさせることのないように、声の大きさやスピード、トーンなどを合わせましょう。

④説明中心にしない

テレアポをしていると、つい丁寧に1から10まで何でも教えたくなる時があります。

しかし、説明のしすぎはテレアポでは逆効果です。

なぜなら、説明が長くなるほど「面倒くさそう」と思わせるからです。お客さんは簡単な説明で理解できるものでなければ電話で契約してくれません。

また、お客さんが理解できないスピードで延々と説明すると、お客さんが置いてけぼりになって「よくわからないのでいいです」と断られます。

説明は簡潔にして、まずは「この機会にご利用してみてください!」と一旦軽くテストクロージングをしてしまいましょう。

テストクロージング

商談の途中で、お客さんの購入意思を確認すること。

もしかするとテストクロージングは勇気がいることかもしれませんが、テストクロージングすることによって、お客さんが気にしているポイントを確認することができます。

同じ説明をするなら、お客さんの知りたいポイントを説明するのに時間をかけましょう。

お客さんが気にしている部分(契約しない理由)をひとつひとつ潰していくことで成約を勝ち取ることができるのです。

⑤クロージングはズバッといこう

テストクロージングをして、気になるポイントをひとつひとつ潰していった後は、いよいよクロージングをかける瞬間です。

この段階では、お客さんが契約しない理由がもう無くなった状態になっています。

ここまできたら、後は思い切りよくクロージングをかけてください。

ここでよくある失敗例は……

「この機会によろしくお願いいたしますっていうお話だったんですけれども……、いかがなさいますでしょうか?」

と、ナヨナヨしたクロージングです。よく聞きます。これは本当にダメです。

なぜなら、まず説得力がなくパンチ力に欠けるため、お客さんからすると不信感ですよね。気持ちよくYESと答えられないし、何か違う話をされるかもしれません。

これでは主導権がお客さんに移ってしまいます。そうではなく、YESかNOかの二択で答えさせましょう。

僕のおすすめクロージングはこんな感じです。

  • この機会に(商品を)使ってみてください!
  • この機会によろしくおねがいします!
  • この機会によろしくおねがいします。このままお電話で簡単に手続きできますので、進めさせていただいて問題ないでしょうか?

1つめと2つめはズバッと言う感じです。3つめは柔らかめだけど、しれっと言うことは言って契約に持ち込むパターンです。

自分のキャラや相手のキャラに合わせて使い分ければ良いでしょう。

⑥面倒ないことを強調しよう

何度も言いますが、お客さんは面倒くさいことが大嫌いです。テレアポの世界では特にです。

商品やサービスが良いことは理解いただけたとしても、契約するのに面倒がかかるようでは最終的に成約させてくれません。

商材によるかもしれませんが、「このままお電話で数分で終わりますので」など、極力面倒くさくないことをアピールしましょう。

⑦怪しさを潰す書面トーク

こちらも何度も言いますが、テレアポの世界ではお客さんは電話詐欺に敏感です。怪しいことが嫌いです。

商品やサービスが良く、手続きも面倒くさくないとわかっても、「本当に大丈夫かな、詐欺じゃないかな」という不安はついて回ります。

これも商材によるかもしれませんが、「事前に書面も届きますので目を通していただき、もし何か疑問などあればすぐにお電話ください」など、電話だけですべて成立するわけではないことなども伝えると効果的です。

⑧魔法の言葉を積極活用しよう

テレアポのお客さんはとにかく不安がります。そういったお客さんに効果的なのが僕がおすすめする魔法の言葉です。

  • 大丈夫です!
  • ご安心ください!

これはテレアポの世界ではかなり効果的です。こういった言葉を繰り返すと、チリも積もってジワジワと効いてくるんですね。

なので、何か質問されたり断り文句がきても、「大丈夫です!○○○○ですのでご安心ください!」と自信満々に返してください。

逆に電話営業の不安感を払拭しますし、着々と安心感、納得感、説得力を醸成して、成約に近づきます。

まとめ

以上、コールセンターのアウトバウンド業務で契約を勝ち取るコツをまとめてみました。

どれも大切なことを書いたつもりですが、特に大事なのは「当たり前感MAX」です。ぜひ、おすすめする商材を理解して、自信をもって業務にあたってください。

ただし、万が一取り扱っている商品やサービスに自信が持てない場合は「当たり前感MAX」にはならないですし、罪悪感しか持てなくなります。

また、本記事に記載していることにどうしても抵抗がある場合は、アウトバウンド向きというよりインバウンド向きかもしれません。

そういった方は、以下の関連記事を参考にしながら、業務の見直しも検討してみてくださいね。

【徹底解説】プロが教えるコールセンターバイトの失敗しない選び方

2021年1月25日