コールセンター業務の主なストレス要因6つ。影響と対処法も解説!

コールセンターの仕事にはどんなストレスがあるのかな?
ストレスが生じる原因や対処法は?
ストレスの仕事への影響は?

こういった疑問に答えます。

この記事を書いている僕は、コールセンター業界で約15年の経験を持つマネージャーです。オペレーター、トレーナーとしての経験も豊富です。

また、メンタル・マネジメント検定Ⅱ種も保持しており、メンタルヘルスの知識・関心も強く持っています。

こういった僕が、詳しく解説していきます。




コールセンターの主なストレスと原因、対処法

コールセンターの仕事において、よくストレスと言われる主なものについて解説していきます。コールセンターの仕事だからといって必ず当てはまるわけでもなく、逆に当てはまらないセンターもありますが、一般的には以下のようなストレス要因があります。

仕事のプレッシャーが厳しい

コールセンターの求人には「ノルマがない」と謳っているものがほとんどですが、実際にはノルマはなくても「KPI」と言われる各種目標値があります。

インバウンド業務の場合は対応品質、対応速度など。アウトバウント業務であれば時間あたりの発信件数や獲得件数などです。

パフォーマンスが低いと管理者からフィードバック(指導)を受けたり、対応速度をスピードアップするよう急かされることがあります。ひどいセンターだと、繁忙の時間帯にトイレに行けないなんてこともあります。

対処法

  • 管理者に相談したりアドバイスをもらい、スキルアップに努める
  • トイレは繁忙時間帯を避けて先に済ます。どうしてもの場合は無理せず行く(強制我慢は体罰)
  • そもそもKPI達成状況が厳しい業務の求人に応募しない(派遣会社などに事前に確認する)

クレーム対応にメンタルが病む

お客様の理不尽な発言やクレーム対応を重ねることで、徐々にメンタル的に負担が大きくなることがあります。

クレームといっても様々なタイプがあり、怒鳴り散らしてくる人もいれば、声は落ち着いていても淡々と理詰めで追い詰めてくる人もいます。

また、電話に出た瞬間から怒っている人もいれば、対応中に徐々に怒ってくる人もいます。

クレームの程度や頻度はセンターによってかなりバラツキがあるので、クレームの多いセンターに就業すると、クレーム負担のストレスを強く感じることが多々あります。

対処法

  • どんなベテランでも必ずクレームになる案件と割り切る
  • お客様の発言に関して、感情はすべて無視し、情報(状況、要望内容など)のみに集中する
  • どうしても対応に苦慮する場合は、無理せず管理者を頼り、上席対応や横付きサポートを依頼する
  • そもそもクレームの多い業務の求人に応募しない(派遣会社や面接官に事前に確認する)

提供している商品やサービスが多すぎて理解できない

提供している商品やサービスが多いと、お客様から何についてどのような問い合わせが来るかわかりません。そのため、業務知識が浅いうちは入電が怖くなり、待機時間の緊張が強くなります。

そのような広い業務知識を求められる業務では、新人研修から多くのことを詰め込むので、頭がパンクして覚えられないということもしばしば。

また、業務によっては業務仕様や新着情報の更新が頻繁にあるため、日々情報のアップデートが必要になり、付いていくのが非常に大変ということもあります。

対処法

  • 新人研修中はわからないことや不安なことは素直に研修担当へ伝える
  • 研修卒業後も、待機時間中はなるべくマニュアルや資料などで自己学習する
  • そもそも3週間以上研修期間がある業務の求人に応募しない(研修期間が長い業務ほど幅広い知識や高度なスキルが求められる)

管理者によって言うことが違う

お客様対応中にわからないことがあると、通常は一度電話を保留にして、手上げで管理者に質問します。

しかし、駆けつけてきたSVやLDによってそれぞれ言うこと違うことがあります。その場合、管理者の指示に従って対応したとしても、後で誤案内のフィードバックを受けることがあります。

そうなると、人間不信ならぬ管理者不信となり、安心して管理者を頼ることができなくなることがあります。

対処法

  • スーパーバイザーやマネージャーなど、できるだけセンター内で上の役職の人に相談する(ただし、すぐに解決するのは難しい)
  • 難しい業務であるほど管理者がいつも正解を知っているとは限らないことを理解して受け入れる
  • システム上の対応メモに「○○SVに確認済み」など手上げで管理者から受けた指示に従っていることを残す(管理者の名前と必ずセットで)

センター内の人間関係が辛い

コールセンターは比較的女性の多い職場です。ほどんどのセンターでは女性の方が男性よりも多いでしょう。その中で、女性特有の人間関係に苦しむことはあり得ます。

また、センターによっては年齢層に偏りがあることもあるため、あまりにも自分と離れた年齢層ばかりの職場に入ると、センターに馴染めず孤独感を感じることになるでしょう。

こういった人間関係の問題はセンター規模が小さくなるほど顕著になるので、できる限り入社前の時点でどういった属性の方が多い職場なのかを確認しておくことをオススメします。

対処法

  • 自分から自己開示したり、コミュニケーション能力の向上と捉えて、馴染んでいくよう努める
  • どうしても馴染めず、仕事にも影響するようであれば、管理者に相談して席配置など工夫してもらう
  • そもそも入社前に年齢層や性別の分布、人数規模などセンター環境について確認しておく(派遣会社や面接官に質問)

監視体制が厳しい

コールセンターではオペレーターごとのステータス管理(対応中、待機中、休憩中、一時離席など)をしている場合が多いです。誰が、いつ、どれくらいの時間、何をしているのかが、管理者席でひと目で分かるよう一元管理されているのです。

そのため、例えば、お昼休憩や10分休憩などで1分でも遅れて戻ってくると管理者はすぐ気づくので、フィードバックされやすいです。

また、対応中の通話内容も録音されていたり、管理者席からリモートでモニタリングされていることも多いので、常に行動が監視されているといっても過言ではありません。

対処法

  • 業務時間と休憩時間のオンオフをしっかりして、時間厳守で行動する
  • 管理者が見ていないだろうと油断して、お客様に暴言や不適切な対応をしない
  • 基本的にはルール通りに行動していれば問題ありません

ストレスによる仕事への影響

ここまでで、コールセンターの仕事における様々なストレス要因と対処法について解説してきました。対処法にはストレス解消に向けてすぐにできることと、そうでないものがあります。

ストレスがうまく解消できずに蓄積していくと、以下のような状態になってきます。このような、いつもと違う自分に気づいた時は要注意です!

  • 疲れを感じやすくなる
  • イライラしやすくなる
  • 集中力が低下する
  • 論理的に考えることが難しくなる
  • 意思決定することが難しくなる
  • 元気がなくなる
  • 情緒不安定になる
  • 眠れなくなる
  • 頭痛や腹痛など体に出るようになる(心身症)

このような問題が出てくるため、仕事のミスが多くなり、仕事を楽しめなくなったり、責任感が低下してきたりします。そうなると、仕事に行けなくなったり、さらには日常生活がままならなくなったりすることに繋がります。

こういったストレスは身体面に出る場合と精神面に出る場合がありますが、それぞれストレスの程度が強くなると、最終的には以下のような問題が出てきます。

身体面への影響:
心筋梗塞、脳血管疾患、高血圧などの深刻な身体症状、病気に罹患する。

精神面への影響:
うつ病になり薬物療法や精神療法などの専門治療が必要になる。状況により休職、入院などが必要になる。

うつ病になると回復には相当な期間を要するのと、完全には復調できるとも限らないので、非常に恐ろしいです。

真面目で責任感のある人ほど頑張り過ぎて、気づいた頃には非常に深刻なレベルまでメンタル不調が進み、ある日突然仕事に行けなくなるということになるのです。

ストレス耐性はそれぞれですし、ストレス要因との相性もあるので、あまりに強いストレスを受けている場合は無理せずまとまった休暇を取得してリフレッシュしたり、違う職場に異動や転職する判断も非常に大切です。

メール対応業務やチャット対応業務という選択肢もある

ここまでで、コールセンターのストレスと仕事への影響について解説してきました。メンタル不調を招く最も強いストレス要因は基本的には理不尽なクレーム対応です。

こういった対応では、お客様が理不尽に怒鳴りつけてくることがありますが、それは電話対応独特なものです。

今はコールセンターといっても電話対応だけでなく、メール対応やチャット対応も行っているセンターが増えてきているので、【チャット対応】や【電話+メール・チャット対応】というような求人に応募することで、クレーム対応によるストレスを軽減することができます。

電話対応だけでなくメール対応やチャット対応も行うセンターを「コンタクトセンター」と呼びます。求人サイトでも「コンタクトセンター」と記載されていることがあります。

一般的にコールセンターの主な退職理由のひとつはクレーム負担ですが、実際僕の経験からしても、チャット対応を行うセンターではクレーム負担の退職はほぼありませんでした。

ただ、チャット対応もしているコールセンターの求人は人気があるので、常に求人をチェックして、空きがあればすぐ応募しないと厳しいかもです。

チャット対応を含む求人を探すのは求人数の多いサイトを利用することが必須なので、派遣バイトなら「リクナビ派遣」あたりがオススメです。
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まとめ:ストレスは早期発見、早期対策、許容範囲を見極めることが大切

以上、コールセンターのストレスと仕事への影響、対処法などについてまとめてみました。

まずは早めにストレスに気づき、対処することが大切です。しかし、それでも解決しない場合は無理をし過ぎないことも同じように大切です。

世の中にはコールセンターの仕事なんて本当に山ほどあります。たまたま入った環境の悪いセンターのために、あなたの体を壊して犠牲になることはありません。

ストレス問題をどうしても解決できない場合は、以下の情報も参考にしてみてくださいね。