【徹底解説】プロが教えるコールセンターバイトの失敗しない選び方

    コールセンターのバイト求人を探したいけれど、

  • どういった業務があるのかな?
  • 雇用形態は直接雇用と派遣とどっちがいいのかな?
  • オフィス勤務と在宅勤務のメリット・デメリットは?
  • 沢山稼ぎたい場合はどういう求人を探せばいい?
  • プライベート重視の場合はどういう求人を探せばいい?

こういった疑問に答えます。

この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。

これまで数千人の新人の採用、育成、定着に取り組んできました。

こういった僕が、詳しく解説していきます。




業務内容で選ぶ(アウトバウンド業務とインバウンド業務)

コールセンター業務にはアウトバウンド業務とインバウンド業務の2種類があります。自分に合った業務を選ぶためにも、まずはそれぞれの特徴を把握しておきましょう。

アウトバウンド業務(発信業務)の内容、メリット・デメリット、向いてる人

アウトバウンド業務はこちらからカスタマーに電話を発信することが主な仕事になります。具体的には、以下の2つの業務に分かれます。

  • テレアポ(テレフォンアポインター)
    商品やサービスを紹介して契約を取ったり、訪問のアポイントを取り付ける電話営業業務
  • テレマ(テレマーケティング)
    商品やサービスの市場調査や顧客満足度調査、世論調査などのアンケート業務

どちらも「スクリプト」と呼ばれる台本を読んでいく仕事です。この業務の面白いところは、同じスクリプトを使っても読み方次第で成績が人によって変わってくるところ。

カスタマーに合わせて、以下のような点を工夫すると話をより聞いてくれるようになります。

  • 声のトーン(明るい声、落ち着いた声)
  • 声の高さ(高い声、低い声)
  • 声の強弱(場面により緩急をつける)
  • 声のスピード(早くしゃべる、ゆっくりしゃべる)
  • 間の取り方(自分がしゃべりたい場面、相手にしゃべらせたり考える時間を与えたい場面)

メリットとしては、基本はスクリプトを読むだけなので、業務が単純シンプルであり、比較的難易度が低いです。パソコン操作も簡単なので、年代問わず活躍しやすいです。時給以外にも、成績によってインセンティブがもらえる場合もあります。

デメリットとしては、こちらから一方的に電話を発信するのでガチャ切りされたり、サービスをおすすめしても「いりません」と断られることが多いです。断られることが苦手な人は落ち込みやすい業務です。

向いているタイプ

  • ゲーム感覚で楽しめる人
  • ガチャ切りされてもそういう性質の業務だと割り切って次々電話をかけられる人
  • パソコン操作よりもトーク力を生かしたい人

インバウンド業務(受信業務)の内容、メリット・デメリット、向いてる人

インバウンド業務はカスタマーからかかってくる電話を受信することが主な仕事になります。具体的には、以下の3つの業務に分かれます。

  • カスタマーサポート
    商品やサービスに関する一般的な問い合わせ対応業務
  • テクニカルサポート
    IT系の製品やサービスに関する操作方法、故障、技術的な問題に関する問い合わせへの対応業務
  • 通販受注
    通販の注文受付業務

カスタマーの困りごとに関して、マニュアルを調べながら対応していく仕事です。そのため、この業務の良いところは、カスタマーからの「ありがとう」を沢山もらえることです。

ただ、対応範囲が広く、マニュアル(多くの場合は電子化されたもの)を駆使して調べながら行う業務のため、以下のようなパソコンスキルや資質が求められます。

  • マニュアルやGoogleで素早くキーワード検索する力
  • 複数のシステムを素早く切り替えて見る力
  • カスタマーの言っていることを正しく把握できる力
  • カスタマーの役に立ちたいと思うホスピタリティ
  • 忍耐力(業務習得に時間がかかるため)

メリットとしては、幅広い知識が身に付くため、その製品やサービスに関して詳しくなれることです(例:通販の仕組みやお得な買い物の仕方に詳しくなれるなど)。

また、適切な言葉遣いや傾聴の姿勢について学ぶことができるため、コミュニケーション能力の向上が期待できます。

デメリットとしては、クレーム対応があることです。業務によってクレームの量や程度は異なりますし、インバウンド業務のすべてがクレームばかりなわけでもないので、求人選びがひとつのポイントになります。

向いているタイプ

  • 世話好きな人、困っている人を放っておけない人
  • 人の話を聞くのが好きな人、得意な人
  • クレームを引いても正面から受け止めない人、自分のストレス発散方法を持っている人

仕事内容で選ぶ(ボイスとノンボイス)

コールセンターの仕事は電話がメインですが、その他にもメールやチャットでの対応も増えてきました。メールやチャットなどのノンボイス対応も含めて対応しているセンターを「コンタクトセンター」と呼んだりします。

それぞれの対応について以下の通り特徴を把握していきましょう。

ボイス対応(電話)

コールセンターの基本である、電話対応を行います。ヘッドセットを付けてカスタマーと対話します。

対話メインとなるので、メールやチャット対応と比べると「タイピング」や「コピー&ペースト」などのパソコン操作は求められる要件がやや緩いです。

良くも悪くも、カスタマーの感情が伝わりやすいのが特徴です。

ノンボイス対応(メール、チャット)

インバウンド業務については、最近は電話対応だけでなく、メール対応やチャット対応の「ノンボイス対応」も増えてきました。

「タイピング」や「コピー&ペースト」などのパソコン操作が一定のレベルで求められます。文字ベースのコミュニケーションのため、クレーム対応の負担は緩くなりますが、カスタマーの感情が読みにくいという意味での対応の難しさはあります。

また、電話対応と違い、即答しなくても調べる時間が持てる分、気持ちの余裕が生まれます。一方で、チャット対応については内容以上に反応時間が短いほど顧客満足度が高まる傾向が強いので、対応品質を上げるためには細切れでも良いのでレスポンスの速さも大切にしたいところです。

なお、メールにしてもチャットにしても文章は1から作るのではなく、テンプレが豊富に用意されています。それらをコピー&ペーストしながら一部編集して対応するようなイメージです。

チャット業務は特に人気のため、気になる人は常に求人募集が出ていないかチェックしておくことをおすすめします。

雇用形態で選ぶ(直接雇用と派遣)

コールセンターのオペレーターは非正規雇用のバイトであることが多いですが、そのなかでも雇用形態は「直接雇用」と「派遣」の2種類に分かれます。

それぞれどのような違いがあるのか説明していきます。

直接雇用で働く場合

コールセンター会社に直接雇用されることを指します。コールセンターの任意の業務の採用面接を受けて、合格した人が直接雇用されます。

メリットとしては、派遣に比べて直接雇用は安定した立場にあるので、何らかの事情でセンターの人員削減が必要となった場合に、あなたの雇用は派遣スタッフよりも守られます。また、時給も派遣より高いことが多いです。

また、コールセンターではオペレーターを管理者に抜擢する際に直接雇用の人から選ぶのが一般的なので、将来的に管理者へのステップアップや正社員登用も視野に入れて頑張りたいという方には直接雇用の求人に応募することをおすすめします。

デメリットは特にありませんが、あえて言うなら派遣に比べて直接雇用の方が給料の日払い、週払いに対応しているところが少ないです。

派遣で働く場合

派遣会社に雇用された上で、コールセンター会社に派遣スタッフとして派遣されます。あなたは派遣会社から派遣先コールセンターに「エントリーシート」の連携という形で紹介してもらいます。

派遣先コールセンターはエントリーシートに書いてあるあなたの条件やスキルを見て受入可否を判断するので、派遣先コールセンターとの採用面接はありません。

メリットとしては、派遣会社の担当者は常日頃から多くのコールセンターと太いパイプでつながっているため、保有案件の各コールセンターがどのような環境なのか情報を持っていることです。

そのため、応募前に、センター全体の雰囲気、管理者やオペレーターの雰囲気、業務内容や難易度などについて先に相談できるため、自分に合った職場が見つけやすいです。

また、何か職場で困ったことがあった時に相談に乗ってくれたり、管理者に直接言いにくいことがあった場合も派遣会社の担当者が間に入ってくれたりと、サポート体制があることです。

デメリットとしては、直接雇用に比べて安定性が劣るため、何かしらの事情でセンターが業務縮小になった場合には、直接雇用よりも派遣スタッフから優先的に雇い止め(いわゆる派遣切り)されます。時給も直接雇用に比べるとやや落ちることが多いです。

働き方で選ぶ(オフィス勤務と在宅勤務)

コールセンターは一昔前であればオフィス勤務一択でしたが、最近はIT技術の進歩もあり、在宅勤務ができるコールセンター業務が増えています。

それぞれの特徴や、メリット・デメリットについて見ていきましょう。

オフィス勤務のメリット・デメリット

従来行ってきたオフィス勤務でのコールセンター業務は、いろいろな年代、性別、立場の方が集まって仕事をしています。10名前後の小規模センターから、50~100名前後の中規模センター、200~300名前後の大規模センターまで様々です。

メリットとしては、沢山の人と切磋琢磨、励まし合いながら仕事ができること。交友関係が広がることなどがあります。ちょっとした時間に気軽に雑談できる仲間がいると、気持ちが落ち着きますよね。

デメリットとしては、状況によっては特定の人と馬が合わなかったり、人間関係に苦しむ場合があることです。

在宅勤務のメリット・デメリット

IT技術の進歩により、コールセンターの基幹システムがクラウド型に移行してきたことで、在宅でもオフィスと同じ環境で仕事ができるようになりました。

メリットとしては、通勤にかけていた時間が毎日1~2時間節約できたり、体力も温存できます。仕事の合間に家事をしたりと、一日の時間を効率的に過ごすことができ、ワークライフバランスが保てます。

また、コロナ禍においては三密回避が最大のメリットになりますね。最強のソーシャルディスタンスです。

デメリットとしては、仕事の相談や仲間との雑談などコミュニケーション不足になりがちです。また、仕事とプライベートのオン・オフなど自己管理が必要になります。

ワークスタイルで選ぶ(稼ぎ重視とプライベート重視)

仕事をする目的は人それぞれです。また、コールセンター業務が人気である主な理由は「時給が高い」「シフトの自由度が高い」です。そのため、働き方も稼ぎ重視派とプライベート重視派に分かれます。

とにかく稼ぎたい

全国の平均時給が2021年1月現在で1,000円ほどですが、コールセンターの時給は1,100~1,400円が一般的です。

ただでさえ高めに設定されている時給ですが、沢山稼ぎたい人は、時給だけでなくインセンティブや各種手当も含めて試算することが大切です。

アウトバウンド業務、インバウンド業務それぞれで狙うポイントがあるので、以下を参考にしてみてください。

  • アウトバウンド業務
    成約件数、成約率などでインセンティブのもらえるテレアポ業務。会社によって事情が全く異なりますが、インセンティブが数千円レベルのものから、下手すると数10万円単位でもらえるものまであります。
  • インバウンド業務
    対応品質、対応効率でインセンティブのもらえるカスタマーサポート業務またはテクニカルサポート業務。且つ、時給と別に夜間手当や深夜手当がもらえる業務(19時以降は時給と別に+100円など)。22時~翌5時の間は時給が1.25倍になるように労働基準法で定められています。

また、体力のある人は、残業を積極募集している業務を選び、残業代で稼ぐのもありです。あちこちでWワークするよりは効率的ですよね。法定労働時間(1日8時間×週5日)以上の勤務分は時給が1.25倍になるように労働基準法で定められています。

プライベートを大事にしたい

シフトの自由度、融通性などもコールセンターの魅力とよく言われるところです。コールセンターによって、募集しているシフトパターン、条件はさまざまです。

平日9~18時固定が希望であれば、証券会社や保険などの金融系の業務、もしくは電気・ガスなどの公共系の業務がおすすめです。

その他、業務によりまちまちですが、週3以上でOKや一日3時間以上でOKなどの条件であったり、申告制でシフトを作ってくれるセンターもあります。

まとめ

以上、コールセンターバイトの間違いのない選び方について解説してみました。

  • 単純な業務が良い:アウトバウンド業務
  • 困ってる人を助けたい:インバウンド業務
  • コミュニケーション能力を伸ばしたい:ボイス(電話)
  • ストレスフリーを追及したい:ノンボイス(メール、チャット)
  • 安定性重視:直接雇用
  • 働きやすさ重視:派遣
  • 人と接するのが好き:オフィス勤務
  • 時間効率を追及したい:在宅勤務
  • 稼ぎ重視:インセンティブ狙いのテレアポ業務、インセンティブや夜間・深夜手当狙いのカスタマーサポート業務またはテクニカルサポート業務
  • プライベート重視:金融系、公共系のカスタマーサポート業務

上記を参考にしながら自分に合ったコールセンター求人を考えてみてください。実際に求人を探してみたい人は、以下も参考にしてみてくださいね。