
- コールセンターの仕事きついな……。
- 辞めようか迷ってきた、どうしよう……。
- 実際、本当に辞めてしまっても大丈夫かな……。
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、コールセンター業界で15年の経験を持つマネージャーです。センターの定着率向上や離職率低減のために、沢山の課題に取り組んできました。
退職希望のオペレーターと多くの面談をしてきたので、辞めたいと感じるオペレーターの気持ちも理解しています。
面談を通して気持ちが整理されることで辞めずに継続するケースもあれば、問題の解決が難しく退職になるケースもあり、内容は様々です。
こういった僕が、詳しく解説していきます。
コールセンターを辞めたいと思う状況とは
コールセンターのバイトをしていて、辞めたくなる瞬間は様々です。精神的なストレスであったり、オフィスワークならではの身体的負担もあります。
その他、具体的にどういったものがあるのか、以下にまとめてみました。
- カスタマーから理不尽なクレームや暴言を受ける
- 常に電話が鳴りっぱなしで疲れる
- パフォーマンスを求められることのプレッシャーが重い
- 人間関係が合わない
- 仕事のやりがいを感じられない
- 会社や提供しているサービス、商品に自信を持てない
- 覚えることが多すぎる
- 業務についていける自信がない
- 常に座りっぱなし
- 常に電話でしゃべりっぱなし
- 常にPCを見ているため目の負担が強い
沢山ありますね。これらについて、ひとつひとつ解説していきます。
全部読むと長いので、自分に当てはまるもの以外は飛ばし読みしていただければと思います。
辞めたいと思った時の対処法は?状況別に説明します
カスタマーから理不尽なクレームや暴言を受ける
カスタマーからの理不尽なクレームや暴言を受けるのは、主にインバウンド業務(受信業務)に多いです。
電話に出た瞬間いきなりクレームの場合もあるし、最初は穏やかでもオペレーターの対応が上手くいかずクレームに発展する場合もあります。
インバウンド業務が全部同じというわけではなく、業務によってもかなり差があります。クレーム対応の少ないインバウンド業務ももちろんあります。
オペレーター起因でクレームに発展するパターンは、管理者にトークの分析や改善のアドバイスをもらい、クレームに発展させないようなスキルを身に着けましょう。
クレームの多い業務である場合は、クレームを減らすことは難しいです。クレームそのものの受け止め方・考え方を変えたり、業務外でストレス発散する、同僚との会話を通して気分を落ち着かせるなどが必要です。
クレームは多くの場合、あなたへの個人攻撃ではなく、会社やサービスに対するご意見だと捉え、良い意味でスルーすることも大切です。
常に電話が鳴りっぱなしで疲れる
多くのコールセンターでは、一日を通して電話の入り方が一定ということはありません。電話の鳴りが多い時間帯と少ない時間帯があります。
これも業務やセンターによって差はありますが、入電の多いコアタイムだと、一件対応して電話を切った瞬間に、また次の電話が鳴るということもあります。
このケースの場合、オペレーターの立場でできる対策は正直難しいです。
管理者にコアタイムの負担が大きいため人の配置を増やしてほしいとか、負担を減らしてもらえるようにシフト条件の緩和を相談することなどが考えられます。
ただ、コアタイムから非コアタイムへのシフト変更はややハードルが高いです。
パフォーマンスを求められることのプレッシャーが重い
インバウンド業務であれば対応品質(顧客満足)や対応効率(スピード)、アウトバウンド業務であれば営業ノルマ(のような目標)に対して、管理者からのプレッシャーがかかる場合があります。
センターの雰囲気や風土によって差はありますし、そういったプレッシャーの少ないセンターも沢山あります。あまりにプレッシャーが強いセンターだと、求められるレベルが高くて疲弊します。
コールセンターである以上、センター運営に必要な指標(KPI)が複数あり、その指標を達成できるよう管理者達が必死になるのは仕方のないこと。
そういったセンターに所属している間は、管理者にアドバイスをもらいながら、自身のスキルアップに努めるしかないです。
努力を継続しても結果が出ない場合は、その業務に対する向き不向きの問題もあるので、そういった見極めも大切です。
人間関係が合わない
コールセンターには、所属数名のセンターから数100名所属の大きなセンターまで規模が様々です。
小中規模のセンターであれば、限られたメンバーの中で気の合う人が見つからず、人間関係に苦慮することもあるかもしれません。
センターによって、年代や性別の偏りが大きかったりもします。
また、特定のオペレーターや管理者との関係が悪くなってしまったという場合もあります。
どうしても我慢が難しい場合は、スーパーバイザーやマネージャーなどに個別に相談して、座席配置を考慮してもらったり、管理者の問題であればその上司から指導してもらうよう依頼するということが考えられます。
仕事のやりがいを感じられない
毎日同じような電話対応の繰り返しが続くと、仕事に飽きてくることもあるでしょう。それは人の性格にもよるので、ある程度は仕方のないこと。
業務に慣れすぎてつまらないと感じるようになったり、別の新しいことに挑戦してみたいと思うようになることもあるでしょう。
また、キャリアアップがしっかりと提示されていないセンターであれば未来に向けてのモチベーションを持ちにくいこともあります。
自分がどんなことにモチベーションを感じるのか、自己分析、自己理解に努めましょう。
キャリアアップなのか、お客様に感謝されることなのか、成績を上げることでまわりに認められることなのか……、人によって異なります。
内省を通して気持ちを整理したり、管理者に相談して新しい気づきを得るなどすることで、新たなやりがいを発見できるかもしれません。
会社や提供しているサービス、商品に自信を持てない
比較的、アウトバウンド業務に多い悩みです。特に、商品やサービスの良さを伝えて契約・申込を促す獲得系業務では、提供する商品・サービスが良いものであるという自信や、自社に対してリスペクトできることが大切です。
自信が持てれば自然と説得力のある力強い営業ができるし、自信が持てなければ成績を上げることは難しいです。成績が上がらなければ上司からのプレッシャーも強くなり、どんどん仕事が辛くなります。
獲得系業務で自社商品に自信が持てない人は、商品を「売り込む」「押し付ける」「買わせる」というような思考になっていることが多いです。
その商品の良いところはどこなのか、その商品を得ることによってお客様にはどんなメリットがあるのかを一旦「客観的に」整理しましょう。
その商品が良いものかどうか判断するのはお客様です。自分が良いと思えない商品でも、それを求めている人もいるはず。お客様の状況を把握した上で、そのお客様にとって客観的にメリットになることを伝えましょう。
全員に「良いもの」と思ってもらう必要はありません。
覚えることが多すぎる
覚えることが多すぎるというのは、主にインバウンド業務に多い悩みです。
アウトバウンド業務と違い、インバウンド業務は守備範囲が広く、お客様に何を質問されるかわからないという難しさがあります。
そのため、マニュアルなどの資料が複雑であることも多いです。
守備範囲が広く、覚えることが多いと、なかなか業務を習得できた感覚がつかめず、慣れるまで大変だと感じることでしょう。
多くの場合は、慣れや場数、経験が大切で、時間をかけて覚えていくしかありません。特に、研修期間が一か月以上ある業務はそうです。
人によって業務習得のペースは様々なので、まわりと比べずに、日々少しずつでも、昨日の自分より成長することを大切にしましょう。
毎日の積み重ねが大切なので、欠勤などせずにシフトを守って出勤し、継続することが何より大事です。
業務についていける自信がない
自信をなくして業務不安が大きくなるケースでは、主に2つのパターンがあります。
ひとつめは、スキルが求められる水準まで追いつかないことです。スキル不足になると、管理者からの指導が増えていき、だんだん辛くなっていきます。
ふたつめは、求められる水準のスキルは実際身についているものの、「もっとできていないとダメ」「こんな自分ではダメ」だと勝手にハードルを上げて、過剰に落ち込んでしまうパターンです。
どちらのパターンも、スキル習得において、理想と現実にギャップを感じていることが共通点です。
前者のスキル不足パターンについては、とにかく自分のスキルを上げるしかありません。管理者や研修担当に積極的に相談すること、同僚にうまくいくコツを教えてもらうことなど、自らアクションすることが必要です。
一方で、後者の必要以上に落ち込む自意識過剰パターンについては、歪んだ認知を正すことが必要です。「現時点で」求められるスキルはどの程度なのか、そこに対して実際どこまで追いついているのかを、客観的な判断で管理者と認識をすり合わせるようにしましょう。
真面目すぎる人、一生懸命すぎる人によくある悩みですが、何事も限度があり、バランスが大切なのです。
常に座りっぱなし
休憩以外ずっと座りっぱなしのオフィスワークです。それが良いという人もいれば、それが腰痛などの原因となり辛いと感じる人もいます。
また、非常に運動不足になりやすい仕事なので、コールセンターのバイトを始めてから体重が増加したという声も少なくありません。
一日を通してこまめにストレッチをして体を伸ばすことや、座布団や背中クッションなどのオフィスチェアグッズを使うことも、許される環境であれば有効です。
また、軽くでも無理のない範囲で、体型維持のために体を動かす習慣を付けることをオススメします。
ちなみに、私はこれらに加えて更に、カロリミットを飲んで悪あがきをしています。
金銭負担を考え、夕食前の一日一回に限定しています。炭水化物を控えめにするなど、食事に気をつけることも大切です。
常に電話でしゃべりっぱなし
上記で解説したように、多くのコールセンターは、一日の中でコアタイムと呼ばれる忙しい時間帯があります。
そこにシフトが重なっている人は、常に電話が鳴りっぱなしという状況に巻き込まれることがあります。
口や顎が疲れたり、喉が乾きやすくガラガラしてくるなど、人によってはそこに辛さを感じる場合があります。
口や顎が疲れることについては根本解決できる手段がありませんが、無理のない勤務時間にシフトの調整を相談することなどが対策として考えられます。
喉が乾く問題については水分補給が必要ですが、ジュースや缶コーヒーなど甘い物を飲むと逆効果ですので、水やお茶にしておきましょう。
また、上記で説明したように、運動不足になりやすい仕事なので、そういった意味でも糖分過多には注意したいですね。
常にPCを見ているため目の負担が強い
一日中PCとにらめっこの仕事なので、当然、目の負担が大きい業務と言えます。
目が乾いたり、血走ったり、シュパシュパするような症状が続くと仕事に集中できず、辛くなります。
目を酷使する分、仕事が終わって家に帰ったら、なるべくリラックスして、睡眠を十分に取るようにしましょう。まぶたのマッサージで血行を促すことも良いですね。
また、必要に応じて、PC用の目薬や目もと用のリラックスグッズ、ブルーライトメガネなどのアイテムを揃えて活用することも効果的です。
個人的には、目もと用リラックスグッズの「あずきのチカラ」は何度も繰り返し使えてコスパが良く、使い心地も良いのでオススメです。
どうしても仕事が厳しいと思ったら……
これまで11パターンの「コールセンター辞めたいあるある」とその対処法について解説してきました。辞めずに済むヒントがもしあったなら、それをぜひ生かしていただければ嬉しいです。
ただ、それでも「無理!辛すぎる!」という思いが拭えないこともあるでしょう。
もし、本当に今の仕事が辛くて、心や体に不調があるのであれば、休暇を取ることも必要です。あまり無理をかけすぎると、今度はメンタルヘルス不調になり、うつ病などに発展します。
そうなると、復調するまで長い時間がかかるので、そこまで無理する必要性はまったくありません。
ここまで読んでいただいた方は、辞めないためにどうしたら良いか一生懸命考えてこられた方です。その時点で、十分えらいと思います。悩んで考えた上で、どうしてもダメだと思うのであれば、一旦今の仕事は辞めてしまっても問題ないのです。
あなたが今のバイトを辞めて問題ない理由
コールセンターのバイトは、ハマれば働きやすく長期で続けられる仕事です。しかし、あまりにも無理があるようであれば、辞めてしまっても問題ありません。
なぜなら、コールセンターのバイトは元々離職率が高いもの。環境の問題や、業務特性と自分との相性などの問題で、センターによっては合う・合わないがどうしても出てきます。定着するための努力は大切ですが、限度があるのも事実です。
「辞めてしまう」と考えるとネガティブに聞こえますが、そもそも職場は自分が選ぶものであり、誰かに強制されるものではありません。「辞めてしまう」ではなく、本当に自分に合う職場だったのか「判断する」というように考えることも大切なのです。
実際、僕もこれまでの管理者経験から、オペレーターが自分と仕事の相性を「判断」して辞めていく姿を山ほど見てきました。
なので、繰り返し言いますが、努力しても解決できず本当に辛いときは、無理して今のバイトを継続せずに、辞めてしまっても問題ないのです。
まとめ:コールセンターには相性がある
長くなりましたが、何をするにも悩みはつきもの。悩みを乗り越えるために努力をすることがまず優先です。
ただ、悩みが重なったり、程度が強くなると、本記事で紹介した対処法を実践しても、解決できずに限界だと感じる場合もあります。
そういった場合は、自分を追い込みすぎずに、別のセンターに移ることも大切な選択肢であることを忘れないでください。世の中コールセンターは山ほどありますよ。
ちなみに、コールセンターバイトの選び方について詳しく知りたい方は、以下の関連記事が参考になります。